東京都立富士高等学校附属中学校は、東京都中野区にある都立中高一貫校です。
令和3年度より、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、学校名の「富士」にかけて、富士山の裾野のような幅広い教養と高度な理数的解決力を身に付けさせることを目標にしています。
アクセスは東京メトロ「中野富士見町駅」から徒歩約1分ととても近く、便利な立地です。JR「中野駅」からはバスで約10分ほどです。
募集定員は160名。2024年の受検者数は544名で、受検倍率は3.38倍。
2023年の倍率は3.46倍だったので、昨年とほぼ同じで横ばいでした。
例年通りⅠ〜Ⅲで構成された2024年の適性検査問題から、受検生なら知っておきたいポイントをご紹介します!
適性検査Ⅰの出題方針は「文章を深く読み取り、他者のものの見方や考え方を理解する力、分かりやすく適切に表現する力をみる」です。
文章1は東直子著「生きていくための呪文」、文章2は藤田真一著「俳句のきた道 芭蕉・蕪村・一茶」で、それぞれ3つの問題が出されました。
松尾芭蕉の言葉を取り上げ、俳句の知識を深めるような題材で、興味の有無で解釈や理解に差が生じたはずです。
〔問題1〕
問われている内容に一致する具体例をそれぞれの文章から探し記述する問題でした。
具体例をそれぞれの文章から探すだけの問題ですが、はじめから「謂応せて何か有。」と難しい言葉を使った文章は読みにくく、簡単ではなかったかもしれません。
〔問題2〕
文章2の傍線部に関連する文を、文章1から抜き出し記述する問題。
情景を想像している部分を抜き出す際、条件が「連続する二文」なので選べる箇所は狭まります。シンプルで比較的簡単な問題だったでしょう。
〔問題3〕
文章1・2のいずれかの考え方にふれ、自分の考えを書く問題。
400字以上440字以内という条件で、原稿用紙1枚以上のボリュームです。「文章1・2のどちらかの考え方」と「これからの学校生活で仲間と過ごしていく上で」を関連させなくてはいけませんので、考えながら思いつくままに書くのではなく、構成イメージを持って書く必要があります。
所要時間45分でこの3題を取り組む場合
〔問題1〕10分
〔問題2〕10分
〔問題3〕20分
ラスト5分で誤字脱字などの見直し、名前等の書き忘れのチェックというような時間配分を目安にすると良いです。
適性検査Ⅱの出題方針は、「資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる」というもの。
【大問1】
デジタル数字を題材にした問題です。
〔問題1〕
パズル要素が強く、マグネットシートから棒状のマグネットを切り取り必要な個数をつくる問題。
〔問題2〕
ルールに従って、指定された3けたのデジタル数字を最短時間で作る方法を考える問題。
【大問2】
公共交通機関の利用について考える問題です。
令和3年度から令和5年度までは3年連続で日本の産業を題材にした内容でいたが、令和6年度は令和2年度と同様に公共交通機関を題材にした内容。
〔問題1〕
公共交通機関の利用割合が偏っている理由を、所要時間と料金の観点から考察する問題。
〔問題2〕
「ふれあいタクシー」の取り組みが必要になった理由と、導入の効果について、資料と会話文から考えられることを説明する問題。
【大問3】
「まさつ」について調べる実験を題材にした問題です。
〔問題1〕
ペットボトルのキャップにつけられたみぞのまさつによる効果を、モデル化した実験で確かめる問題。
〔問題2〕
斜面をすべり下りる物体の摩擦力が、接地面の素材にどのような影響を受けるかを、実験から明らかにする問題。
交通機関やペットボトルなど、日常生活にある身の回りのことに絡めた問題は、いかにも適性検査らしい出題です。
理科や社会で学んだ知識が、自分たちの暮らしの中でどう活用されているのかを、実社会と結びつけた視点で物事を捉えられるよう意識することが大切です。
適性検査Ⅲの出題方針は「様々な条件を基に課題を見出し、課題解決する力をみるとともに、計算したり、論理的に考えたりする力をみる。」です。
【大問1】
条件をもとに計算・作業する力をみる問題です。
〔問題1〕
表のデータを利用して、東京都の桜の開花日と考えられる日を計算する問題。
〔問題2〕
ルールに従ってゲームを行う作業型の問題。
〔問題3〕
ルールに従って考えていく問題。問題2より複雑で難しい。
【大問2】
図形を適切に処理する力をみる問題です。
〔問題1〕
ルールを理解してから、どうなるかを考える問題。
〔問題2〕
図形が何個あるか数える問題。また解答欄の図形を塗りつぶす作業のある問題。
〔問題3〕
立方体の回転の種類と、移動の組み合わせを答える問題。
都立富士高等学校附属中学校の適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、得点比率が2:2:3です。特に学校独自のⅢの比率が高く、得点源とすべきでしょう。
日ごろから様々な文章を読む訓練を積み、問題文の意図を捉え、何を答えればいいのかという点を意識することもとても大切です。
弊社は、都立中高一貫校の適性検査や報告書、併願私立受験まで、幅広くアドバイスしサポートしています。
受検しようか迷っている方は、ぜひお気軽にこちらからご相談ください。
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