滋賀県には、守山中・河瀬中・水口東中の3つの公立中高一貫校があります。
今回は、この3校の特徴や受検倍率、適性検査を解説します。
滋賀県立守山中学校
2023年度の偏差値は59、倍率は4.3倍。
「併設型」の公立中高一貫校で、滋賀県の中でも倍率が高く人気のある学校です。
主な教育方針は次の3つ。
■国語と英語で取り組む「ディベート」
多角的視点で論理的な考えを積み上げ、自分の言葉で発表する力を養います。
英語でのスピーチやディベートもあるため、英語力も培われていくでしょう。
■思考力を深められる「サイエンス」
科学的思考、数学的に表現・処理できる力を身につけていきます。
■多面的・多角的に現代社会に向き合う「ソーシャルスタディ」
さまざまな視点を持って、現代社会に向き合い、国際的な視野を養います。
学力はもとより、人間性や未来を切り開く力を育むスタイルです。
自然や社会とのつながりから自分を見つめ、人間探求の学びから課題を見つけ、自ら学び、自ら考える力を培うという学習の狙いがあります。
ここ数年の倍率は4倍以上が続いているため、合格するには十分な時間と対策が必要です。
滋賀県立河瀬中学校
2023年度の偏差値は54、倍率2.15。
平成15年に、県立河瀬高等学校に併設された「併設型」の中学校。
高校には音楽科があり、県内トップクラスの実績を持つ吹奏楽部が人気です。
主な教育方針は次の4つ。
■英語と数学は全学年少人数学習指導
少人数制の授業を取り入れることで、個々の理解度による差を防ぎ、主体性も身につけることができます。
■高校の学習内容を随所に取り入れた授業
中高の教員が協力して学習指導を行うスタイルで、高校への接続もスムーズにいくところも魅力です。
■「総合的な学習の時間」でディベートに取り組む
6年間を通してディベートを行うことで、論理的思考力、臨機応変に対応する力、チームでより良い答えを導く力などが養われます。
■アカデミックプログラムや国際理解教育、イングリッシュセミナーなどの体験型教育
体験型の学習を行うことでも主体性や思考力を養い、今後の未来を生き抜く力を伸ばしていきます。
一昨年2022年度の倍率は1.6倍でしたので、増加傾向にあるようです。
滋賀県立水口東中学校
2023年度の偏差値は52、倍率は1.28倍。
甲賀市にある「併設型」の公立中高一貫校ですが、隣接する湖南市や日野町からも通学する生徒がいます。
主な教育方針は次の3つ。
■夢未来探求
6年間自らの研究課題について深め、自分で調べ、体験し視野を深めていき、プレゼンテーションする力を身につけていきます。
■国際交流活動
オーストラリアのHAS(Hillbrook Anglican School)と姉妹校として相互交流しているため、留学やホームステイができます。
■高校生との積極的な交流
授業内容先取りだけでなく、生徒会も中高一体となり、部活動や高校の授業を体験できます。
受験倍率は2倍を切り低めですが、今年度それを下回ることはないでしょう。
3中学ともに、募集定員は80名です。
県立中学のため、1人1校の出願しかできませんので、学校見学などを早めに行い、志望校を決めておきましょう。
入試制度、適性検査の特徴
入試は作文、適性検査、面接(グループ)が行われます。
作文は40分。
課題となる文章があり、それを読んだ上で、主には趣旨や大意を読み取り要約するようなタイプの作文です。
ただ問題には、「あなたならどのようにまとめますか」という文言や、指示される条件がありますので、ただ文章をコンパクトにするというわけではなく、自分なりの見解や考えを用いながら書く作文になります。
適性検査も40分。
算数・理科・社会が偏りなく、均一に出題されている印象です。
他県では近年歴史分野や音楽家庭科といった副教科を交えた問題の出題傾向がありますが、滋賀県の共通問題に関しては、そうした傾向はみられません。
理由などを説明させる記述タイプの問題が多いので、作文と合わせ、「書く力」は、合格には必要不可欠になるでしょう。
面接は集団になりますが、受検生がディスカッションするようなグループ活動ではなく、目的・意欲や関心を問う一般的な面接の質問ですので、十分備えることができるでしょう。
中高一貫教育では、お子さんの「自発的な学習への取り組み」が重要です。
親御さんが勧めるだけではなく、お子さん自身がこの学校に行きたいという強い気持ちを持って受検することで、合格も近づきます。
滋賀県の中学受検そのものを迷っている方や公立中高一貫校に興味のある方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
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