【オンラインで大学受験対策】共通テスト、英語外部試験導入見送りへ

センター試験廃止により、2021年度から新たに始まった「新共通テスト」。

 

聞く・話す・書く・読む の4技能を測るために、当初、英検やTOEFLなどの外部の民間試験を採用する予定でしたが、その受検には検定料がかかったり、開催される試験会場が都市部に偏るなど、民間試験に受験生の公平性が保たれないという理由から、2025年まで先送りされていました。

6月30日に開かれた有識者会議で、共通テストにおける記述式問題の出題や民間試験の導入は困難であるという提言が取りまとめられ、文科省は正式に導入断念を決定しました。

どうなるんだろう?
とヤキモキしていた受験生たち、また学校関係者の方々は、ほっと胸を撫で下ろした方も多いのではないでしょうか。

 

 

教育改革を銘打って、ただの詰め込み暗記を吐き出すだけの偏った試験方法ではなく、総合的な英語力を評価しようとした政府の方針そのものには賛成です。

 

しかし、現実的には、1月中旬実施の共通テストから、2月上旬の国立大の大学別試験まで、採点を済ませ結果を出さなければならない事務的な処理を思えば、記述式問題の出題はあまりに無謀に思われました。

民間試験においても、事前に最大3回まで受験することができるとは言うものの、その3回というのが些か問題で、経済的事情から3回も受けられない受験生がいるのは当然のこと。

それだけで合格を掴みとれるチャンスの違いにつながるのです。

 

 

 

私立大の受験においても、共通テスト利用という受験方式はあるものの、本来「共通テスト」は、国公立大学を志望する受験生たちの一次試験となるべきもの。

金銭的な面から国公立を志望する学生も多い中、入試制度そのものに、経済格差の影響があってはなおのこといけません。

 

大学受験の合否判定の仕組みとして、

共通テストと大学ごとの個別試験の合算

により結果を算出するわけですから、大学側が求めるの学生への資質として、記述論述力やスピーキング力(コミュニケーション能力)を求めるならば、何も共通試験でそれを問うことはないのです。

 

入試制度そのものの不確定さで多くの受験生を不安を与えるくらいなら、その確かな力を備えさせるため、受検勉強に安定的に精進できるよう、受験生ファーストの入試制度を考えていただきたいものです。

 

何はともあれ、これらが見送られたことで、とるべき対策が明らかになりました。

受験生の皆さんは、去年の過去問をベースに、この夏は共通テストの目標点に近づけるような取り組みに尽力しましょう。

 

 

 

とはいえ、私立大学では2021年度入試を境に、英語や数学の民間テストを独自で入試制度に導入した大学も複数見受けられました。

事前に各種試験に挑戦し、級やスコアを取得することにはメリットがあります。

 

例えば、芝浦工業大学では、TOEICやTOEFLなど一定のスコアを取得して入れば、当日は数学と理科の2教科のみの試験だけで勝負できる「英語資格・検定試験利用方式」という受験方法があります。

 

理系大学ゆえに、数学や理科は得意だが英語は苦手という学生もいるでしょう。そうした受験生は、試験より前に英語をクリアし、本番は得意科目に専念することができます。

さらに学部によっては、数学は2倍換算という場合もあり、目的・目標に対し賢い受験をすることができるのです。

 

共通テストにおける英語民間試験導入は見送られたものの、私立受験に向け、事前にこうしたものへ挑戦することは、私立1本の受験生や国公立との併願を考える受験生にこそオススメしたいと思います。