大阪の皆さん。
今、大阪の公立中高一貫校の中学受検が熱いのを、ご存じでしょうか?
星光学院中?
四天王寺中?
高槻中?
同志社香里中?
大阪桐蔭中?
金蘭千里中?
大阪教育大附属中?
いえいえいえいえ。
その国私立中学ちゃいます!
大阪府立富田林中(所在:富田林市)
大阪市立咲くやこの花中(所在:大阪市此花区)
大阪市立水都国際中(所在:大阪市住之江区)
この3つが、大阪府内の公立中高一貫校で、今、大阪の中学受験(受検)で最もHOTな学校です。
大阪にお住いの、小学生のお子さんがいらっしゃる親御さんたちの中にも、
「中高一貫がいい!」
とおっしゃる方が多いと聞きますが、では
なぜ中高一貫がいいのか?
という点について、「高校受験が大変でさせたくないから」とか、「私立でも、6年一貫の方がトータルすれば安い」とかいうお声を聞きます。
でもそれ、ちょっと古い考えです。
今どきの日本の中学受験(受検)は、その仕組みや価値、相場が、親御さん世代(30代以上の世代の時)とは、大きく変化しています。
そもそも2021年からの新学習指導要領全面施行により、受験(受検)事情やその傾向も変わったのは当然のこと。
中学受験(受検)に限らず、あらゆる学校の在り方や入試制度が変化しています。
2年前から大学センター試験が廃止になり、新共通テストが始まりました。
例えばその英語1つ例にとってみても、大問1・2に見られた、発音・アクセント問題や、英検のような( )の穴埋め4択のような単純でシンプルな問題姿を消し、全て英語長文や英語資料を元にした読解ベースの問題形式に変わり、その問い自体も全て英語になりました。
筆記200点、リスニング50点、合計250点を200点に圧縮した配点も、筆記100点・リスニング100点、合計200点になり、リスニングの割合が高まり、知識だけでなく英語の実用の能力も重要視されるようになりました。
入試問題(たどり着くべきゴール)の形が変わったわけですから、そこまでの過程もそれに沿って変化が伴います。
ですから親御さんたちが、いつまでも自分たちの経験や価値観のまま子どもたちの進路選択をしたりアドバイスするのは、時代錯誤でしかありません。
また、周りにいる受験経験者に話を聞き参考にしたとて、先述の通り、新学習指導要領の全面施行は2021年、つまり、今まさにこに数年は、様々な入試変更の最中にあり、「●●受験てこうだよね」と型にはめて断言できるようになるには、あと5年ほどはかかるでしょう。
素人目には分かりにくいかもしれませんが、大阪の公立中高一貫校運営は、他県と比較しても、良い意味で奇抜で、将来性ある新しい試みがなされています。
高い学費を払い、手厚い指導を受けられる私立は、対価としては当然のこと。
そうではなく、一般公立でありながら、子どもたちの自立自発性を育み、グローバル教育や理数教育にも力を入れ、これまでの公立枠を超えた指導が受けられるとするのであれば、こんなに良い環境があるでしょうか?
6年の一貫教育には、長期的安定した学習環境の保証というメリットがある一方で、個人差はありますが中3〜高1ほどの期間で著しい中弛みが起き、最終的に大学受験を成功させられないケースも少なくなく、しかしそんな負の部分は公にはならず、良い面だけが情報(ウワサ)として広まりがちです。
露呈はしない別の側面も持ち合わせていることを、中学受験(受検)をされる方は忘れないないでください。
これから中学受験(受検)を考えられる親御さんたちには
「6年一貫校だからいい」
という漠然とした思い込みではなく、
「この中学だからこそいい!」
と思える受験(受検)にしていただきたいです。
大阪には、他県とは差別化された素晴らしい公立中高一貫校がありますので、そのまだ十分に知られざる魅力を、このブログを読んでぜひ知っていただき、未来あるお子さんの進路選択の幅を増やしていただけたらいいと思うのです。
それでは、前置きが長くなりましたが、まだあまり認知されていない大阪府・大阪市の公立中高一貫校の特色について、「特にココがすごい!」という要点をかいつまみご紹介していきます。
※各中学校の詳細は、各学校HPよりご確認ください。
■ココがすごい!その1
大阪府立富田林中学校(高等学校)の歴史と近代化の絶妙なバランス
明治33年(1900年)設置認可され、翌年開校された歴史ある学校。(※当時は大阪府第8中学校)
平成29年(2017年)に、現在の中高一貫校となりました。
その歴史、122年(※現在2022年時点)。
大阪市またはそのすぐ近隣のエリアの方々からすれば、富田林市は遠くてローカルな学区外に思われるかもしれませんが、府立の学校ですから、その応募資格は府内全域。
県庁所在地ではない地域でも、その取り組みや方針は、全国区の一貫校と比較してみても、素晴らしいものです。
まず、魅力の1つとして挙げられるのは、富田林高校は平成29年にSSHの指定校となったこと。
SSHとは「スーパーサイエンスハイスクール」の略称で、文科省が7億円予算を配分し、科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校として指定する制度です。
2022年現在、全国に218の指定校があり、大阪府内には約2,200校ある高校の中から、富田林高校を含む14校しか指定はありません。
このSSHは、その活動内容のチェックや審査があり、一度指定されたからといって、その資格に永久的な保証はなく、年により除外される場合もありますが、富田林高校は平成29年の指定以来継続しています。
スーパーサイエンスハイスクールというからには、高校の話ではないかと思われるかもしれませんが、中高一貫校の富田林中学校・高等学校においては、中学探求として、中1からその取り組みに関与しています。
※詳しい活動内容は コチラ から
そして次に挙げられる魅力は、「グローカル教育」。
もし、「あれ?グローバル教育の間違いじゃないの?」と思われたとしたら、それはもはや遅れた思考です。
グローカルというのは、「地球規模・世界規模」を意味するグローバル(Global)と、「地元・地域」を意味するローカル(Local)を組み合わせた造語です。
例えば、世界で展開するファストフード店が、出店したその一部地域にだけ、地元に根付く味や、ニーズの高いメニューを提供することも、グローカルの実例です。
島国であり、江戸時代の鎖国で出遅れた日本が、これまで長きに渡り目指したものは、世界に目を向けたグローバル化でした。
けれど、交通技術が発展し、インターネットが普及した情報社会で、人・モノ・お金、あらゆるものが国境を容易に超えることができる今、今度は世界から日本を見直す、ある意味また別の新しいローカルへの視点が必要です。
中学では、一部希望者のマレーシア訪問や、中3時全員で行く台湾修学旅行。
高校では、同じく一部希望者のオーストラリア訪問に、高2時全員で行くベトナム修学旅行。
その他、アメリカシアトルへのSDGsプログラムによるホームステイなど、国際交流の取り組みが、私立の学校のように盛んです。
これまでの日本が、地方から大都市に人口流出し過疎を生んだように、これから、将来性のない自国に失望した優秀な人材ほど、日本から世界へと流出していくことでしょう。
ですからこのように、グローバルではなく、グローカル教育は、今の日本には急務であるのは間違いありません。
個人的な印象として、特に地元愛の深い大阪の方々にとって、こうした「グローカル」を掲げる富田林中学校・高等学校は、非常にマッチした校風ではないかと感じます。
富田林中学校・高等学校の口コミなどを調べると、「バンカラな校風」「同窓会館」というワードを目にします。
好みや相性もありますので、それぞれの評価にあれこれ言及はしませんが、総じて言えることは、やはり創立122年という歴史にプライドを持っている地元の方々の熱を感じます。
一方、その教育スタイルや目指すものは、決して過去に固執した古臭いものではなく、時代に適し、さらに言えば、例えば東京都立の中高一貫校よりも先駆けた部分も備えていたり、我々のような立場からみても、非常にハイカラで興味深い学校です。
富田林市、その近隣にお住まいの方のみならず、大阪府全域で富田林中学校に通学が可能な方には、ぜひチャンスの1つとして受けてみてもらいたい、おススメの府立中学校です。
さて、この続きは、今、大阪の公立中高一貫校・中学受験(受検)が熱い!ー後編 咲くやこの花中・水都国際中の特色 にてご紹介します。
咲くや此花中学校・水都国際中学校についてお知りになられたい方は、ぜひ引き続き後編をお読みください。
【参考サイト】
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