東京都立両国高等学校附属中学校は、東京都墨田区にある都立の中高一貫校です。
両国高校の前身は府立三中で、芥川龍之介や堀辰雄などの出身校としても知られています。
アクセスはJR中央・総武線、東京メトロ「錦糸町」駅から徒歩約5分。都営新宿線「菊川」駅・「住吉」駅から徒歩10分。
利用できる駅が多く、駅からも近くアクセスしやすいです。
募集定員は160名。2024年の受検者数は662名で、受検倍率は4.14倍。
2023年は4.65倍だったので、昨年とほとんど変わらず競争率が高い人気校です。
2024年の適性検査問題から、両国高等学校附属中学校を目指すために、知っておきたいポイントをご紹介します!
適性検査Ⅰの出題方針は「文章を深く読み取り、他者のものの見方や考え方を理解する力、分かりやすく適切に表現する力をみる」です。
文章1は東直子著「生きていくための呪文」、文章2は藤田真一著「俳句のきた道 芭蕉・蕪村・一茶」でした。それぞれ一般的な読解問題が2問、そして自分の考えを作文にする1問、合計3つの出題でした。
短歌や俳句を扱った題材は、歴史的仮名遣いも含み、小学生には読みにくい内容かもしれません。
〔問題1〕
問われている内容に一致する具体例をそれぞれの文章から探し記述する問題でした。
具体例をそれぞれの文章から探すだけの問題ですが、「不易流行」など難しい言葉が引用されているため、理解しづらい内容で、簡単ではなかったかもしれません。
〔問題2〕
文章2の傍線部に関連する文を、文章1から抜き出し記述する問題、情景を想像している部分を抜き出す問題でした。
条件が「連続する二文」なので選べる箇所は狭まります。シンプルな比較的簡単な問題だったでしょう。
〔問題3〕
文章1・2のいずれかの考え方にふれ、自分の考えを書く問題でした。
400字以上440字以内という、原稿用紙1枚以上のボリュームをしっかり書き切れるかで、力の差が出る問題です。また「文章1・2のどちらかの考え方」と「これからの学校生活で仲間と過ごしていく上で」を関連させなくてはいけませんので、ただ自分の考えを自由に述べればよいというものでもありません。
所要時間45分でこの3題を取り組む場合
〔問題1〕10分
〔問題2〕10分
〔問題3〕20分
ラスト5分で誤字脱字などの見直し、名前等の書き忘れのチェックというような時間配分を目安にすると良いです。
適性検査Ⅱの出題方針は、「資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる」というもの。
【大問1】 〔問題1〕
パズル要素の強いもので、マグネットシートから棒状のマグネットを切り取り必要な個数をつくる問題。
〔問題2〕
ルールに従って、指定された3けたのデジタル数字を最短時間で作る方法を考える問題。
【大問2】
公共交通機関の利用について考える問題です。
令和3年度から令和5年度までは3年連続で日本の産業を題材にした内容でいたが、6年度は令和2年度と同様に公共交通機関を題材にした内容。
〔問題1〕
公共交通機関の利用割合が偏っている理由を、所要時間と料金の観点から考察する問題。
〔問題2〕
「ふれあいタクシー」の取り組みが必要になった理由と、導入の効果について、資料と会話文から考えられることを説明する問題。
【大問3】
「まさつ」について調べる実験を題材にした問題です。
〔問題1〕
ペットボトルのキャップにつけられたみぞのまさつによる効果を、モデル化した実験で確かめる問題。
〔問題2〕
斜面をすべり下りる物体の摩擦力が、接地面の素材にどのような影響を受けるかを、実験から明らかにする問題。
交通機関やペットボトルなど、生活に基づく身の回りの身近なものに絡めた問題は、いかにも適性検査らしい出題です。
普段理科や社会で学んだ知識が、私たちの暮らしの中でどう活用されているのが、知識と実社会を結びつけた視点で物事を捉えられるよう意識しましょう。
適性検査Ⅲの出題方針は「資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる」です。
【大問1】
論理的思考・計算力をみる総合問題でした。
〔問題1〕
そば屋が開店してから、品物が売り切れて行列がなくなるまでにかかる時間を求める問題。
〔問題2〕
40人のお客さんのうち、小盛、並盛、大盛をたのんだのはそれぞれ何人か。考えられる組み合わせを一組答える問題。
〔問題3〕
閉店後のレジの中にあるお金の枚数を解答欄に合うように答える問題。
【大問2】
論理的思考・図形に関する問題でした。
〔問題1〕
会話文を参考にして、おじいさんとおばあさんの誕生日の組み合わせを一組答える問題。
〔問題2〕
ルールに従ってゲームを行う問題。
〔問題3〕
答え方に沿って、どのような模様かを答えさせる問題。
都立両国高等学校附属中学校の適性検査は、ⅠからⅢに及びます。対策するには十分な時間が必要です。
まずは、一般的な基礎から標準レベルの問題集で、科目知識をそつないものにしましょう。
都立中高一貫校の問題は、特に算数、理科、国語を複合的に合わせた出題が目立ちます。問題文を読み解く力、ものごとに対する表現力をつけることがとても大切になります。
都立中高一貫校入試は、他の公立中高一貫校の共通した適性検査とは異なり、独自問題があることで、学校ごとに一部差別化した対策を行うことになります。
受検者数も多く、他の受検生と足並み揃えた対策に不安を覚える方もいらっしゃるので、「自分にとってどんな対策が必要か?」をお知りになりたい方は、お気軽に弊社にご相談ください。
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