4月12日、日本武道館ー。
東京大学平成31年度入学式には、3,000名を超える新入生とその保護者たちがいました。
そこで読み上げられた、上野千鶴子氏による祝辞が話題になりました。
かつて東大で教鞭を執った社会学者である上野氏の言葉は、OGを含み新入女子学生たちの心に大きく響いたものであったに違いありません。
冒頭、医学部の不正入試に触れ、女性差別や女性蔑視にフォーカスしたスピーチ内容。
思っていても、なかなか口にすることが憚れるデリケートなテーマに、一瞬息をのみますが、
「ようこそ、東京大学へ。」
と最期を締めくくられたその祝辞には、日本一に君臨する東京大学の気品やプライドのようなものを感じさせられます。
心の琴線に触れるフレーズがいくつかある中で、特に印象強いのは、
“頑張ったら報われるとあなた方が思えることそのものが
あなた方の努力の成果ではなく、
環境のおかげだったことをわすれないでください。”
という言葉。実に深い意味を持つと感じます。
実際は「頑張ったら報われる」ような世の中ではなく、周囲の環境が励まし認めてくれたからこそ、そう思えるのであるということ。
そして、その頑張りを、自分が勝ち抜くためだけに使わずに、恵まれた環境と能力を、人々を助けるために使ってほしいというメッセージ。
中学の公民の教科書でも、一番最初に扱うのは、グローバル化によって必然化する共生共存の社会。
争い競い合うことより、協力し支え合う社会へという思考のシフトチェンジ。
さまざまな考え方があるのでしょうが、単なるブランド意識だけでなく、このような大学で学びたいという学生や、学ばせられて良かった、または是非学ばせたい、と感じた保護者は多かったのではないでしょうか。
【参考】
東京大学公式HP: https://www.businessinsider.jp/post-189030
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