間もなく新・学習指導要領が施行されることは周知のとおりです。
それに伴い、施行後、各学校での子どもたちの学習評価基準も、変化するのは間違いありません。
例えば、文科省が年明けに公表した『児童生徒の学習評価の在り方について』から、小学生の学校での学習評価基準がどのようになっていくのかを考えてみましょう。
前編)学校での評価のされ方って、公平なの??
まず、最初に触れておきたいのは、学校の成績のつけられ方。
先生によって、学校によって、その評価基準がバラバラで、その評価を疑問視する子どもや親御さんは少なく無いはずです。
テストでは9割近い好成績だったのに、5段階評価で「3」…とか、昨年まではずっと◎がついていた欄に、新年度担任の先生が変わった瞬間「〇」しかつかなくなった…とか。
なんでや~!?
と、可愛いわが子のことともあれば、声を荒げたくなる親御さんもいるはずです。
以前私が学習塾を運営してお預かりしていた、当時中3の男の子。
少し控えめなタイプでしたが、身なりもしっかりして礼儀も正しい良い子でした。そんな子が、ある教科でテストは96点だったにも関わらず、つけられた内申点は4。
テスト結果だけでつけられる評価でないことも分かっていましたし、そのテストの平均点も全体的に高く彼ぐらいの点数をとった子が他に何人もいれば、こちら側の期待通りの数字にならないことも、当然分かっています。
しかし!
親御さんが疑問に思ったのは、彼よりテストの点数が低い80点台だった他の女の子が、その教科で5をもらっていたこと。
「これは明らかにひいきじゃないの~?」
と、確かに思わずにはいられませんよね。
彼は受験生で、目標の高校には1つでも多くの内申点をもっておきたかったので、覆るとは思いませんでしたが、なぜそうなったのか?は、それ以降の対策のためにも知っておく必要がありました。
そこで、彼のお母様が学校にその理由をお尋ねしてみると、次のような回答がありました。
先生はご自身の手帳を広げられ指さされる先には「正」の字が並べられていて、
「これは、授業で他の生徒が発表していた時に、●●君が下を向いていた回数です(その回数を得点化して評価した)」
とのこと。
あくまで評価は公正化を図ったということを意味されたのだと思いますが、どうもしっくりきませんよね…。
と、まぁこのように、学校でつけられる成績なんていうものは、これまでもおそらくこれからも、この程度です。
けれど、こうした課題は文科省も認知していて、この『児童生徒の学習評価の在り方について』にも、ワーキンググループで出された、そうした評価された子どもや親御さんの声が明記されています。
文科省が定めるところの「学習評価」の真意は、
各学校が日々の授業の下で児童生徒の学習状況を評価し、その結果を児童生徒の学習や教師による指導の改善や学校全体としての教育課程の改善、校務分掌を含めた組織運営等の改善に生かす中で、学校全体としてして組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図る
ということ。
噛み砕いて言えば、子どもたちを評価することが目的ではなく、その評価を学校や教員側の指導改善につなげる題材としましょう!ということのようです。
ですから、例えば「関心・意欲・態度」の評価観点に関して、挙手の回数やまい時間のノートのとり方など、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面をとらえるような評価の仕方である実情に、文科省も「(解釈の)誤解が払拭しきれていない」と述べています。
日本の公教育全体としての、子どもたちへの学習評価がおかしなものであるというよりも、学校(教育現場)への落とし込みや啓蒙の部分に課題があるのでしょう。
それでは、実際子どもたちが正しく公正に、または受験に必要な目標のレベルまでの評価を得るためにはどうしていくべきなのか?ということについては、後日後編にて記していこうと思います。
所詮他人の評価でしかない内申ですが、新・学習指導要領施行後は、大学入試の合否にさえも加味される要因となりますので、どのように対策していくべきか、事前によく知っておきたいものですね。
後編へつづく…
参考:明治図書「教育Zine」2019/1/31より▼
https://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20190042