学校教育法が改正されて以来、公立でも中・高を一貫とする教育を受けられる学校が作られ、各ご家庭、お子さんの進路選びは多様化しています。
文科省の発表にによれば、公立中高一貫校は、昨年平成28年度時点で198校。
国私立を含めれた全体数は595校なので、3割強が公立の中高一貫校。
少子化に伴い、地方の過疎地域では、小さな学校が次々と合併したり閉校していく中で、こうした一貫校は年々増えています。実情と時代には合っているのでしょうが、過疎地域の子育てしずらい環境に、ますます拍車がかかるのは確かですね。
一方、各地域の主要都市ではこうした中高一貫校(一部では小中一貫校など)が増え、選択肢の幅が広がり、お子さんに合った進路選びの可能性を広げています。
さて、その公立中高一貫校。
公立とは言え、入学するには適性検査と呼ばれる学力調査をクリアする必要があります。
各地域によってその問題は異なり、全国一律ではありませんが、一般的には「適性検査Ⅰ」「適性検査Ⅱ」に加え、面接や作文・調査書(報告書※通知表の内容や小学校での活動内容)で合否判定が行われます。
算数国語理科社会といった各教科ごとのテストのイメージではなく、適性検査Ⅰ・Ⅱの中で融合的に出題されるため、事前に十分問題慣れしておく必要があります。
受験を検討されている親御さんからよく受けるご質問。
「いつから始めれば間に合いますか?」
あえて言わせて頂きますが、それは愚問です。
例えば、偏差値40と60のそれぞれのお子さんが東大を目指すとします。
合格できる可能性が高いのは、当然スタート地点では偏差値60のお子さんでしょう。けれどそれはあくまで可能性の話。
偏差値40だったお子さんが不合格になり、60だったお子さんが絶対受かるということは決して意味しません。
逆にこういったことも言えます。
偏差値60だったお子さんは、受験までに偏差値65まで伸びた。
偏差値40だったお子さんは、結果的に偏差値60まで伸びた。
つまり、勉強に励んだ同じ期間の中で、偏差値が低かった子の方が実際の伸び率は高かった、ということ。
話を戻しますが、公立中高一貫校受験において大事なことは、
「いつから」ということではなく、
「どれくらいの期間でどんな学習計画を立てるか」です。
準備時間はあればあったほうが良いですが、まだ幼い小学生、長いスパンでの集中力と忍耐力がなかなかもちません。
期間がありすぎれば、勉強が嫌になって途中「受験しない!」と言い出すこともありますし、受験勉強が順調であるお子さんでも、模試成績などがずっと伸びっぱなしということはまずないので、スランプに陥ることもあります。
ですから、まずは「受験する!」と親子ともども覚悟を決めます。
その時点から本番までどのくらいの期間があるかを見据え、その時間の中で何をどのくらいの割合で取り組んでいくのかを、逆算するように計画立てるのです。
公立中高一貫校は、あくまで公立です。
難関私立中学のように、教科書の範疇を超えた難問奇問の出題はありません。
難しいと思うような問題は、いくつかの解き方が融合され複雑に見えるだけで、問題そのものの難易度が高いわけではありません。
ですからとりわけ特別なことをするわけではなく、基礎を本当にしっかりと固めていくことと、適性検査の出題傾向に十分に慣れること。
作文や面接といったことが苦手なお子さんは、それに対しては多少人一倍労力を割く必要があるでしょう。
そう思えば、(スタート時点での学力レベルにもよりますが)小4で受験を目指し始めても途中で心折れてしまう子もいますし、小6から目指して合格できる子もたくさんいます。
ですから関心があれば諦めずに、いつからでも目指してみてみるべきではないでしょうか。
中高一貫校を望まれる親御さんの多くは、中3で高校受験をしなくて済むため、「大学受験に向けて時間を有効的に使える」とおっしゃいます。
それは確かに一理あります。けれど、すべてのお子さんに当てはまるわけではないのも確かです。
「有効的」という捉え方にもよりますが、中高が一貫された6年という長いスパンの中で、どんなお子さんでも、勉強面においてはまずほぼ中だるみします。
その結果、中3で高校受験をしたお子さんに途中学力で抜かれてしまい、大学受験では負け組に…というパターンも、何ら珍しいことではありません。
公立中高一貫校の魅力は、まず学費面のコスパ。
公立の学費にも関わらず、私立のように英語教育や理数系科目指導を強化しているので、質の良い学習ができます。
英語でしか話してはいけない英語合宿や、プレゼンスピーチなどのイベントも行わたりします。
修学旅行(海外研修という呼び方をしていますが)ではシンガポールやカナダオーストラリアといった海外へ行く学校も多いです。
これは普通の公立中学校・高校単体での実施は難しいこと。
部活動においても、中高生が同敷地内で活動する場合、一緒に練習するため、中学生のスキルが高まります。
中高またいでできる先輩後輩の人間関係からは、日常の勉強を教えてもらえたり、いずれ挑む大学受験のリアルな情報が得られたり、先輩たちの姿から学ぶことができます。
公立中高一貫校の情報が薄くて知らなかった方。
関心はあったけれど、「ウチの子じゃだめかも」と諦めていた方。
難関私立中学受験に比べ、公立中高一貫校は戦略とやり方次第で、新小6の今からでも挑戦できる受験です。
お子さんとよく話し、毎年7・8月頃に行われる学校説明会には足を運び、お子さんにとって良いと思われる選択肢であれば、目指してみてはいかがでしょうか。
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