コロナに負けない、子どもたちの生活 ー料理男子編

「そういえば僕、静岡新聞にのったんすよ。」

 

「…え?」

 

 

家庭学習の実施状況を確認するパトロールに出向いたときの、突然の報告。

 

学校休校中の、高3こうやくん。

弊社のHP、子どもコラムコーナーの、子どもコラムニストとして活躍している彼ですが、課題で書いたコラム?が、静岡新聞に掲載されたのだそう。

 

「すごいじゃん‼みたいみたい!」

と頼み込むと、新聞の画像を送ってみせてくれました。

 

 

 

コロナでまだこんなひどく混乱する前の、2月の終わり。

浜松へ赴き、新高3・大学受験生たちと3者面談を行いました。併願校も合わせ、出願予定校をいくつか選定し、「あとはここから必死に勉強するだけだね!」と話したばかり。

 

けれど、頑張らないと…ここから本気で追い込まないと…と、頭ではわかっているのに、なかなか理想どおりにできないのが現実。

しばらくは、学校休校である上に、部活動もお休みで、時間に余裕があるからこそ、ついその時間を無駄にしてしまいがちでした。

新聞に掲載されたコラムは、そういった状態を自分で客観的に分析した、非常に素直な文章でした。

 

 

受験生には、悩みと葛藤がつきもの。

頑張らないといけない。でも、思うように伸びなかったり、思うように集中した勉強ができなかったり…そしてまたそんな自分が嫌になったり。

 

 

それでも休校措置の延期がきまり、新年度がはじまっても学校や部活がない、外出もなかなかできない自粛生活の中で、彼は、受験勉強への集中を高めるための、よい息抜きを見つけたようで。

 

「最近はほとんど僕がご飯を作ってるんです。」

と、料理上手なお母様の影響もあってか、いつのまにか料理男子になって、午前・午後と勉強した後、夕方はお料理に夢中になって、そしてまた夜勉強を頑張る、というのが最近の彼の日課。

こうした精神的な安定を図る工夫も、受験勉強の一環といえます。

 

高3男子とは思えぬ、見栄えもよろしいお料理の数々…。

んんん、是非食べてみたい…。

 

 

 

 

何がすごいって、食事だけでなく、デザートまで作っているところ‼

 

 

 

何かに夢中になるということは、集中力が身につくということ。

お料理をするようになってから、彼の勉強時間も安定して、なかなか起きれなかった朝も、午前中決まった時間にしっかり勉強できるようになりました。

 

こうしてみると、良い方向に歯車がかみ合い、まわりはじめたような…。

そういえば自分から、古文と漢文の授業、追加してくださいと申し出てきたりもして、自発的に取り組めるようにもなってきましたね。

 

 

そして、このダルゴナコーヒーの写真を見て気が付きました。

数か月まえ、彼のこの机の一角は、大好きなアイドル達のグッズで埋め尽くされていましたが、どうやらそれも封印し、今では手の届くとろこにはよく使う問題集や参考書を置き、環境も整えたそうで。

 

 

結局、他人は解決してくれない。

受験生が自覚をもって、あれこれ工夫したり、1つ1つできることをこなして積み上げていくことでしかないんです。

 

それに気付けるのが早ければ早い受験生ほど成功し、遅ければタイムアウト。

 

コロナの混乱で学校が機能していない中、彼はうまく受験生としての自分と向き合うことができなのではないかと、これから志望校にどんどん近づいていくことに期待が大きい近頃です。

 

毎日励まし、必要な勉強を教えることしかできませんが、自主自立を促し、彼が自分の道へ歩みを進めることを、こちらも全力で応援していきたいと思います。