オンライン授業…近頃よく聞く言葉です。
学校休校措置により、各学校が行いだしたこの「オンライン授業」。
弊社の会員である生徒たちも、私立を中心にオンライン授業が始まっています。公立では、登校日に学校へ課題を取りに行き自宅で取り組む、というスタイルがどの地域でも主流のようで、やはりこういったときに、私立と公立との対応差を実感しますね。
ただ子どもたちを見ていて思うのは、オンライン授業ができるから私立のほうが良い、ということでもありません。
とある同じ私立高校に通う生徒Aくんと、生徒Bくん。
コロナ混乱のずっと前から、一人1台ずつタブレットが支給されていました。
現在はそのタブレットを使い、普段の時間割と同じように、午前から午後夕方まで、オンライン授業が行われています。
画面には、クラス全員の様子が小さくではありますが映し出された状態。
クラスの違う二人の様子を聞いてみると、Aくんのクラスでは、授業中指名され発言を求められる場面があるそう。
また一方、Bくんのクラスでは、最初出席は確認されるものの、ほとんどあてられることもなく、一方的に説明を聞いている状態。今年難関大受験に挑戦するBくんにとっては、まさに内職天国です。
つまりは、結局のところ、オンライン授業どうこうというより、誰にどのように教わるかが大事なのであって、「あ~、学校でオンライン授業が始まってよかった」とか、「あ~、学校がオンライン授業してくれない」とかいうように、安心や不安を抱くのはちょっとナンセンス。
たしかに学校側からすれば、実施すべき単位分の授業がオンラインであってもしっかり行われていくのは、学校再開後に抱える負担も少なく、少しは気が楽であるのかもしれませんが、オンライン授業が子どもたちにとって身になる本当によい学びになるのかというのは、また別の話なのです。
さて、弊社もまたオンラインで子どもたちの学習サポートを行っておりますが、特に力をいれているのは、オンライン授業以上に、家庭学習のカリキュラム提案とその実施管理です。
G.Wも過ぎ、受験を控える高3生や中3生たちを優先に、カリキュラム表を今一度見直し、実情に合ったものに作り直しをしました。
ゴールまでの全体像をイメージできずに、日々の学習が効率よく進むはずがありませんから、生徒たちが一目見て、これだけやらなければならないんだ!と思えるようにしてあげなければなりません。
特にも大学受験の場合は、志望校が定まりさえすれば、受験科目が何で配点がどうで、ともすると、昨年までの合格者平均点や、合格者の最高点・最低点なども調べればすぐに分かりますから、多様な入試方式はあるものの、戦略は立てやすいのです。
ただ、プランニングしながら、改めて思いました。
このままでは、マズイ‼と。
特に大学受験を控えた高3生。大学受験で抱える勉強のボリュームは、高校受験の比ではありません。
残り7~8か月で、間に合うのでしょうか…。
いやいや、それを間に合わせるのが我々の仕事ですね。
一人ひとりの得意苦手を把握し、受験校の試験科目や配点、そして合格者の傾向を分析し、何をどういう順で取り組んでいくのが効率的または効果的なのかを考えプランニングします。
頭の中ではどうしたほうがいいという理想がわかっていても、それを実際の行動に移せるまでが、多くの受験生の課題です。
それをこのようにはっきりと見える化してあげることで、意識が変わり行動も変わるので、この作業は本当に頭を使い時間もかかって大変ですが、大事な作業の1つです。
高1になったばかりの生徒は、これからの高校生活3年をフルに使って、目標に向かって計画的に引き延ばしていくことができますね。
高1のうちから3年後が見据えられる子どもたちが、いったいどれほどいることでしょう。
高校生だけでなく、中学受験を控える小学生や、高校受験を控える中学生にもまた、同様にカリキュラムは作ります。
今月入会したばかりの中3生も、志望校合格に向け、これまでのテストの答案やその結果などを見せてもらいながら、ヒアリングを行い、細かい学習内容を詰めていきます。
自分である程度の予習ができて、わからない部分の解説や補足説明をしてあげるだけのタイプの子もいれば、最初にしっかり根本を教えてあげてから、自分でじっくり演習に入るタイプの子もいます。
志望校や各々の目標に対し、パターン化できることとそうでないことがあるので、その見極めを、我々の指導経験に基づいて働く勘ピューターとでもいうべきもので判断していきます。
大きな見通しを立てたプランニングができたら、日々の学習メニューに具体的内容を落とし込みます。
取り組むべき優先順位が高い項目から順に、ToDoリスト化していき、生徒たちは毎日これを淡々とこなしていくだけ、の状態を作ります。
各志望校への受験の王道はなく、それぞれのタイプや性格に合わせ、よりbetterな方法を見つけ実践するよりないのです。
我々が子どもたちと向き合う中で重要視していることは、断言しますが、志望校合格ではありません。
志望校を合格させるために必要な、自主性自発性と自立心を育むことです。
結果を得させることよりも、結果を得るための過程を、子どもたちその親御さんらとともに必死になりながら、小手先の塾技のようなものでたまたま得た偶然のような成功ではなく、
「自分がこれだけのことをしてきたからこの結果になったんだ」
という、確かな成功体験として、子どもたち一人ひとりの中に残ってほしいと願います。それがきっと、その次に待つそれぞれの未来の課題解決につながっていくのでしょうから。
今夜は宮城県の中3、東京都の小6のプラン表を作ります。
このプラン表を見せたとき、「こんなにできるかな?」とちょっと不安げでいながら、「でも頑張りたい!」という潜在意識から、希望に微笑む彼女たちの顔を思い浮かべながら、最適・最良名プランを熟考したいと思います。
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