【オンラインで都立公立中高一貫校受検対策】川崎高校附属中学校2022年入試分析-前編 適性検査Ⅰ解析

2月3日(木)に実施された、川崎市立川崎高校附属中学校の入試。

今年の適性検査は例年に比べどうだったのか、気になっている人もきっと多いことでしょう!

 

今後、川崎高校附属中の受検を検討されている方々のために、2022年(令和4年度)の適性検査の出題傾向を解析し、お伝えしたいと思います!

 

今回は前編として、川崎高校附属中学校2022年適性検査Ⅰについてです。

 

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適性検査Ⅰ

例年通り、国語社会の要素を含む問題です。

今回の適性検査Ⅰは、大問1と2、小問14問と300~400字の作文1題で構成されています。

 

 

 

レベルも例年通りという印象ですが、面接がなくなり、原稿用紙1枚程度の作文を含んだことにより、「時間が足りない」「最後まで書き切れない」といいような受検生はいたかもしれません。

 

文系科目要素が強いこの手の問題では、難化・易化の判断はしずらいのが正直なところ。

 

例えば、漢字や文法といった知識面の問題が出題されていれば、いつもより難しい問題が出たなどの判断もしやすいのですが、適性検査における国語社会というのは、知識だけではなく、データやグラフの読み取りや、課題文章の解釈、そして作文といった問題で、事前にどれだけ問題集を解いたりして知識を高めておけたかよりも、その出来高は、受検生の資質や持ち合わせている感覚にも左右されます。

つまり、人によって難しいかどうかの感じ方の基準が曖昧であるということです。

 

 

 

大問1では、「ようこ」「けいこ」「はなこ」の3姉妹が、3人に起きた1つの事象を、3者それぞれの立場から語ったストーリーをもとに、問題が展開されます。

⑴~⑷までは、よく読めばなにも難しいと思われる問いはありません。

せっかちで面倒くさがりなタイプの受検生は、時間短縮のために読み飛ばしをしてしまうかもしれませんが、正解率がきっと高いこれらの問題では、その1問1問が命とりになりますので、要注意です!

 

課題が個人の道徳観や倫理観が影響するようなタイプの文章であるため、解釈上の差は生まれたかもしれません。

 

 

⑸の作文問題だけは、ただ自分の考えを書けばよいというものではなく、自分の「できた」という手応えと、実際の採点評価にズレが生まれやすい、苦戦するタイプでしょう。

その課題文章の内容に触れなければなりませんから、独りよがりの作文ではなく、条件に従うということを強く意識しなければならなかった問題です。

 

適性検査における作文問題は、作文コンクールなどで評価を受ける書き方とは異なりますので、普段の学校生活で賞をもらうなどして自信がある子ほど、実際点数になっていないということも良くあるので、気を付けて対策しておきたいものです。

 

 

 

大問2では、川崎市の工業の歴史に基づき、グラフや資料を合わせながら、様々な角度・ジャンルから問いが構成されています。

 

 

 

⑴~⑸まで、比較的優しい問題です。

ただ、⑷は、賢い受検生ほど深読みをするのでは?と懸念されるような問題です。

それは、東海道新幹線が、新横浜駅から名古屋駅まで行くときに通る、神奈川県以外の県名を2つ答えるというもの。

答えはもちろん「静岡県」「愛知県」の2つなのですが、問題に新横浜駅に対し神奈川県を除くとあるので、

「それなら名古屋駅に対して愛知県も除かれるのではないか?愛知県でないなら、一部山梨県を通過するという意味なのか?」

などと、深読みして考えるような受検生もいたのではないかと推測されます。

 

東海道新幹線の最寄り駅が書かれた路線図などが資料にあれば、三島駅・新富士駅・静岡駅・掛川駅・浜松駅…と、山梨県が否定できる要素が明らかなのでよかったかもしれませんが、この問題条件では、いささか小学生に出題するには不親切で、誤解を招いたのではないかと思われます。

 

 

 

また、⑸では、問題としては簡単ですが、工場と発電所の間違いやすい地図記号をしっかり区別できているか、その知識が必要でした。

 

▼工場

▼発電所

 

⑹⑺においても、難しいわけではありませんが、文章を読み取りながら、その内容をグラフや図式化すると、とうなるか?というようなことを問われています。

活字や対話文と、そこで述べられている内容が、常にグラフや図としてイメージできるかがポイントです。

理解力(聞く・読む力)と表現力(伝える力)とのバランスが分かる、近年傾向色濃い問題であったと思います。

 

 

川崎高校附属中2022年の適性検査Ⅰを総括すると…

●難易度は高くはなく、比較的正解率は高い問題が多い。

●道徳の授業を大事に、広い視野と多様なモノの見方ができるのが望ましい。

●作文でどれだけ得点を取れたかが差になる。

●文章とグラフや資料は常に連動して考えられなければならない。

 

 

川崎高校附属中の2022年適性検査Ⅰについて、いかがでしたか?

ぜひ、川崎市教育委員会のHPで公開されている、実際の問題を参照しながらご覧ください。

実際の出題状況と傾向が分かれば、限られた時間でも十分な対策が行えるはずです。

 

入試までちょうど1年となった現小学5年生の皆さん。

前もって備えておきたい小学4年生の皆さん。

CbyEDTECHでわたしたちといっしょに、合格を目指しましょう!

 

 

 

次回は、川崎市立川崎高校附属中学校2022年(令和4年度)適性検査Ⅱについての分析をお伝えしたいと思います。

 

 

【参考サイト】

川崎市立川崎高校附属中学校公式HP

川崎市教育委員会公式HP

 

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