2月10日(木)
川崎市立川崎高校附属中学校の合格発表がありました。
CbyEDTECHにも並々ならぬ頑張りで臨んだ受検生がいたため、ドキドキハラハラの日となりましたが、その努力が報われた結果に、ご本人はもちろんのこと、親御さんとともに喜びを共有することができ、充実感と達成感がこみ上げます。
2月7日に前編として、川崎高校附属中の2022年(令和4年度)適性検査Ⅰについて入試分析したブログを書きました。
今後、川崎高校附属中の受検を検討されている方々のために、今回はその続き、後編として、2022年(令和4年度)の適性検査Ⅱの出題傾向を解析し、お伝えしたいと思います!
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川崎高校附属中の適性検査Ⅱでは、社会・理科・算数の要素を含みながら、知識を絡めつつ、資料やグラフなどをもとにその根本的な仕組みや関係性などを問う問題が出題されています。
今回の適性検査Ⅱは、大問1・2・3があり、小問が各6・6・7問で構成されています。
全体を通して、難易度・レベルは例年通りという印象ですが、平均してという意味で、易しい問題は至って基本的レベルの極めて易しいもので、応用問題については難化したと言えるのではないでしょうか。
問題1は仮に知識がなくても、気候や土地の事情を推測すれば、当たり前のことを問われているだけですし、グラフや資料などに絡めた問題も、何もひねることなく、読み取ったそのままの解答です。
この問題1は正解率が高いはずなので、ここで点を落とした受検生の結果は、厳しいものとなったはずです。
強いて言えば、⑵の問題はきわどいです。
⑵は、たろうさんとはなこさんの会話文の中の一部を穴埋めする問題なのですが、地域の自然環境によって異なる食文化の具体例を考え、記述します。
模範解答には、
海に近いところでは新鮮な魚が手に入るので、刺身にして食べる文化が広まった。
とあります。
しかし、たろうさんとはなこさんの前後の会話文では、熱帯や乾燥地域に関する生活様式の話題が繰り広げられていて、2人の会話を不自然にならないよう成り立たせる前提で、その穴埋め箇所を考えると、子どもたちが食文化の違いの例として、海の魚の話は持ち出しにくいと思われます。
そのため、
例)乾燥した地域では、水が得にくく、米や麦が育ちにくいため、主食はトウモロコシや芋などが主流になった。
というような解答が、子どもたちの自然に出てきた解答になるのではないかと推測します。
加えて、字数を「●字以内で…」と指定してあれば、解答として記述するボリューム感などが推測できたでしょうが、それもなく、ただ
( あ )に当てはまる言葉を書きましょう
としかなかったので、どこまでのことをどの程度書けばよいのか、悩んだ受検生もいたはずです。
問題2では、いつもより図形のボリュームがあったように思います。
小学校受験に見られるような、折り紙の切り抜きによってできず図形の形を考えたりする問題は、紙を折ったときと広げたときの図形の位置や形が想像できない生徒には苦しい問題となりました。
これは、算数の一般的な問題とは違い、反復演習でできるようになるタイプのものではなく、小さいころから積み木やブロックに慣れ親しんだり、手先を使い実際に工作したりしていたお子さんは、理屈ではなく頭の中で感覚的に分かってしまうものなのですが、苦手な子は本当に苦手です。
この問題2での点数差が、合格・不合格の大きな分け目になったかもしれませんね。
この問題2の⑶は、近年傾向にある問題で、計算式を立てさせ求めさせるこれまでと違い、すでにいくつか求め方(式)があり、どの求め方が正しいかという、いわゆる大学入試センター試験(今の共通テスト)の出題の仕方に近いものとなりました。
難易度が高いわけではないのですが、「解きにくい」、「自分でゼロから解いたほうが早い」という受検生は多いでしょう。
問題3については、見て驚きました!
予測したわけではないですが、弊社で適性検査対策としてよく扱っていた題材だったので、CbyEDTECHの受験生であれば、きっと解けたことでしょう。
理科の知識と社会の知識を融合させた、適性検査らしい良問と言えます。
⑹と⑺の問題は、レベル・出題内容共に、非常に公立中高一貫校の適性検査にふさわしい模範的な問題です。
⑹はグラフから%を求める問題ですが、グラフ内の11億9100万トンに対する数字を求めるため、算数の観点からもちょうどよい問題。
⑺は太陽光のデメリットの説明を穴埋めとして記述しますが、季節によって日照時間が違うため、通年で得られる電力量に差が生じることを述べます。
これは理科の天体の知識を活用して解く問題となります。
基礎がしっかり備わった受検生なら、きっと問題なく解けたはずです。
川崎高校附属中2022年の適性検査Ⅱを総括すると…
●問題1・問題3の正解率が高く、問題2で差がついたと予測できる。
●計算や式の立て方よりも、図形や平面・空間把握の力が必要だった。
●会話文を頼ったり、前後の内容だけにとらわれず、物事の本質をとらえ、自分なりに考えをの述べる必要がある。
●自然の現象(理科)と社会問題・課題(社会)を組み合わせ、解決につなげるような知識と理解を深めておく。
川崎高校附属中の2022年適性検査Ⅱについて、いかがでしたか?
ぜひ、川崎市教育委員会のHPで公開されている、実際の問題を参照しながらご覧ください。
実際の出題状況と傾向が分かれば、限られた時間でも十分な対策が行えるはずです。
入試までちょうど1年となった現小学5年生の皆さん。
前もって備えておきたい小学4年生の皆さん。
CbyEDTECHでわたしたちといっしょに、合格を目指しましょう!
川崎市立川崎高校附属中学校2022年(令和4年度)適性検査Ⅰについて知りたい方は、コチラをチェックしてみてください!
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