【オンラインで高校受験対策】北海道立・公立高校入試 成功のHowTo

2023年から北海道の公立高校入試制度が変わるということは、北海道のみなさんであればご存じのことと思います。

 

けれど、具体的に何がどう変更になり、それが受験生にどのような影響があるのかという点において、教育委員会が開示している「入学選考実施要項」の情報をもとに、一般の方が詳しく知るのは、簡単ではないかもしれません。

 

入試制度を十分に理解し、入試問題の出題傾向をしっかりと掴めれば、受験に正しく備えることができます。

 

今回は、その2023年以降実施される北海道・公立高校入試の仕組みと、北海道内の受験生が、どのように志望校選びをしたり、高校受験対策に取り組んだりしていけばよいのかという実用的な情報を、本ブログにて解説していきます。

 

なお、本ブログでは、学力検査を主として要する受験方式「一般入学者選抜」をされる受験生向けとしてその詳細を記載し、推薦入試等には深く触れないものとします。

 

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⒈ 北海道公立高校入試制度の概要

 

※「道立高校一般入学者選抜実施要項」を参照しながらお読みください。

 

⑴ 「4 出願できる学科」 ※2枚目9ページ

出願できるのは、原則1つの高校の1つの学科のみです。

 

第2志望、第3志望を出願できる場合があります。

2または3以上の学科を設置している高校の場合、同高校の同一課程の他学科であれば、第2,第3志望として出願ができます。

 

 

例えば、以下のような場合は、出願可能です。

第1志望:札幌工業高校全日制機械科/第2志望:札幌工業高校全日制土木科

第1志望:札幌国際情報高校全日制国際文化科/第2志望:札幌国際情報高校全日制普通科

 

以下のような場合は、出願不可です。

第1志望:札幌工業高校全日制機械科/第2志望:札幌工業高校定時制電気科

第1志望:札幌国際情報高校全日制普通科/第2志望:札幌国際情報高校全日制理数工学科

 

 

⑵ 「7 出願状況の発表」および「8 出願の変更」 ※5枚目12ページ

例年、1月下旬(20~25日前後)に、出願状況の発表があります。

 

ここで把握しておきたいことは、この一度出した出願を、取り下げ変更できるチャンスが1回あるということです。

発表された出願状況の志願倍率を確認した上で、一度出願した高校の同一課程である他学科、または、当初出願した高校以外の別の高校の同一課程の学科に、期間内に出願変更を届け出ることができます。

その際の出願変更届は、中学校長を介し高校に届け出ますので、まずは中学校にできるだけ速やかに申し出ましょう。

 

出願校が変更になるのは、タイトな日程内での書類の作り直しを含むその手続き上、中学校側にはあまり喜ばれることではないので、どの地域の公立高校受験でも、変更してはならないような暗黙のルールが存在し、遠慮して言い出せない受験生も多いです。

 

けれど、道教育委員会の開示する要項では、このように、受験生に明確に認めた権利ですので、本当に迷ったり悩んだりした場合には、学校や他人の目を気にせず、堂々と変更を届け出ましょう。

 

 

⑶ 「9 学力検査」 ※8枚目15ページ

試験時間と配点は、1教科50分の100点満点、5教科で500点満点。

国語・数学・社会・理科・英語の順に、1日で行われます。

 

英語には、リスニング問題も含みます。思考力・判断力・表現力等についてもバランスよく出題されますが、「北方領土に関する内容を出題する」と公言されているのは、北海道ならではです。

 

 

⑷ 「10 入学者の選抜」 ※15枚目22ページ

受験生の関心が最も高い項目が、この「入学者の選抜」であるのは間違いないでしょう。

 

合否判定の素材となるものが、以下3点。

➀ 個人調査書

中1・中2の内申点は2倍、中3の内申点は3倍とし、最大315点として算出。

315~296はA、295~276はB、275~256はC、…というように、20ずつの刻みで、AからMまでの内申ランクが決まります。

例)

中1内申 35/45 ⇒35×2=70…⑴

中2内申 39/45 ⇒39×2=78…⑵

中3内申 41/45 ⇒41×3=123…⑶

⑴+⑵+⑶=70+78+123=271/315 よって、内申ランクはCです。

 

➁ 当日の学力検査

国語・数学・社会・理科・英語の各100点、5教科500点満点として算出。

 

➂ 面接や実技試験を行った場合はその結果 

面接や実技試験は、すべての高校が実施するものではありません。

また、その配点や、合否判定に用いる比率なども、実施する高校によって決められていますので、出願する高校ごとに確認しましょう。

 

出願する高校が、面接または実技試験を行う場合は、例年、学力検査日の翌日に実施されます。

 

 

各高校の合否判定や裁量の詳細については、「学校裁量についての実施予定一覧表」で把握することができます。

 

 

ほとんどの高校において、募集定員の70%を、➀個人調査書(9教科の内申点)と➁当日の学力検査の結果を、5:5の同等に取り扱い判定します。

 

募集定員の残り30%は、15%ずつ、➀の個人調査書(9教科の内申点)を重視する判定の仕方と、➁の学力検査の結果を重視する判定の仕方の2つの方法で、合否が決められます。

ただし、それらの場合でも、どの程度それを重視して判定するかの割合は高校ごとに決められているので、100の割合で内申点を重視したり、学力検査を重視したりするような、極端な偏りは起こり得ません。

 

 

 

 

札幌の東西南北をはじめ、目標偏差値が70近い学力レベルの高い高校は、学力検査の結果を重視する判定において、10:0(学力検査:内申点)または9:0のように、ほぼ学力検査しか判定素材としない場合が多いです。

個別調査書(内申点)を重視する判定においても、6:4(内申点:学力検査)のように、その許される範囲の中で最大限に学力検査を素材としてみる比率であり、いずれにしても、当日の学力検査の結果が合否判定に大きく影響していることが明らかです。

 

 

 

一方、商業高校や工業高校といった専科高校の場合、高校卒業後の進路として、進学よりも就職を希望する生徒も多いためか、個別調査書(内申点)を重視する判定においては、8:2(内申点:学力検査)のように、内申点や調査書の内容を著しく高く評価する傾向がみられます。

 

 

どこの高校へ進学したいか以上に、高校進学後の進路をどのように持つかによっても、志望校選びや、受験対策の仕方(内申点をとるのか、学力検査のための実力をつけるのか、など)も変わってくるはずです。

 

各高校の目標とする内申点および当日の学力検査の点数は、コチラを参照にして

 

 

 

⒉ 北海道公立高校入試制度の変更

 

※「北海道教育庁高校教育課高校教育指導係発行リーフレット」を参照ください。

 

▢ 出願変更に際し、当初出願した学科に関係なくどの学科にも出願変更が可能。

▢ 推薦入試枠において、学校長推薦から自己推薦に変更。

▢ 北海道外からの受験条件緩和で、ライバルは道外からも。

 

 

これまでは、例えば普通科や総合学科を出願した場合、出願変更に際し、同一の課程であっても、理数科、体育学科、外国語・国際学科などへの出願変更はできませんでした。

これからは、「同一課程」であれば可能となりました。

高等学校の課程に関する詳細についてはコチラ「山口県教育委員会」をご参考ください。

 

 

推薦入試においては、これまでは学校長推薦ということで、語弊はあるかもしれませんが、まずは校内でのふるい分け(その中学校として、どの生徒を推薦するか否かの内部審査のようなもの)があったため、誰もが推薦枠を利用できるということではありませんでした。

 

自己推薦が可能となれば、「自己推薦書」など書類の記載と提出が必要にはなりますが、必要最小限の条件を満たせば、誰でもそのチャンスを生かせるようになりました。

 

 

また、道外からの受験者受入条件が緩和され、他県からライバルが増えることが予想できますが、一部普通科はあるものの、農業・商業・水産業高校を主軸とした受け入れとなり、大学進学を目指す学力レベルの高い高校普通科においては、他県からの流入で、道内の受験生枠が減るという心配はありません。

※道外から出願できる対象高校・学科はコチラを参照ください。

 

 

 

北海道の公立高校入試では、内申点は中3の割合が高いものの、中1からの累計が用いられるので、中学3年間を通し、提出物や小テストなどにしっかり取り組み、安定的に定期テストの成績を収めなければなりません。

また、学力検査においては、難関TOP高であれば、500点中430点以上(86%超え)を目指したいところです。

 

 

このブログを機に、受験生たちには入試の仕組みを理解し、自分に合った志望校を定め、その確実な合格をつかみ取ってほしいと思います。

 

 

 

 

次回は、北海道公立高校入試の学力検査、その傾向と攻略について、詳しく解説・アドバイスしていきます!

 

Written by 教育ライター・一条麗子

 

 

【参考サイト】

 

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