東京都目黒区にある、都立中高一貫校の中でも高い人気を誇る桜修館中。
2006年に、東京都立大学附属高等学校から中高一貫校へと生まれ変わった学校です。
世田谷区と隣接した閑静な住宅地にあり、都内の子どもたちの学び舎としての立地はとても良いです。
桜修館中の昨年(2023年)の受検倍率は5.06倍。今年(2024年)は4.18倍と、常に3倍を大きく上回る人気の高さがわかります。
適性検査倍率が高いということは、1問1点が合否を分けます。その適性検査問題がどのようなものか、解説します。
都立桜修館中の適性検査はⅠ・Ⅱで構成されています。
適性検査Ⅰはすべて桜修館中独自問題。
適性検査Ⅱは、他の都立中学との共通問題と、一部が桜修館中独自問題です。
適性検査Ⅰ 200点
適性検査Ⅱ 500点 の配点で、理数科目の強化は必須です。
(1)要約や記述表現をみる適性検査Ⅰ
適性検査Ⅰの出題の方針として、「文章の内容を的確に読み取ったり、自分の考えを論理的かつ適切に表現したりする力をみる。」とあります。
令和5年の適性検査問題を例に詳しく見ていきましょう
すべて説明文で、森博嗣さんの「面白いとは何か?面白く生きるには?」・西林克彦さんの「知ってるつもり 『問題発見力』を 高める『知識システム』の作り方」から各1題、そしてこの2題材を使って自分の考えを記述する1題。合計で3題出題されています。
難しい漢字にはふりがながあり、難しい言葉には意味が補足され、十分理解できる内容です。
問題1では、「理由を『全体を踏まえて』25字以内で答えましょう。」とあります。
「全体を踏まえて」とありますので自分の考えだけを述べるだけではなく、文章の意味を汲み取っていなければ、良い解答にはなりません。問題条件(指示)には的確に従いましょう。
問題2は、「大いに関係する」を「何が何に関係するのか」と読み取り、文章内の具体例から100字以内で説明するという、シンプルな要約問題と言えます。
問題3は、2つの文章を読んでどのように解釈したか、またそれを学校での学びについて記述する作文問題です。
課題文章を読んで、その主旨を正確に把握し、それに則り自分の考えを上乗せするような記述力が必要ですから、読む力だけでも、書く力だけでもない、双方を同時に鍛えるような対策が望ましいです。
文字量も原稿用紙1枚以上のボリュームです。
限られた時間に文章構成を考え、速やかに作文できるような練習も必要です。
(2)算理社の知識と思考力をみる適性検査Ⅱ
適性検査Ⅱの出題方針は「資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確 に表現する力などをみる。」です。
令和6年の適性検査問題を例に詳しく見てみましょう。
大問1の算数問題は、毎年桜修館中独自の問題が出題されています。
百人一首を使った競技かるたの総当たり戦をテーマにした問題。会話文などから条件や質問の意図を汲み取る必要があります。
算数が得意であっても、反射的に解かずにしっかり読み取り問題に取り掛かりましょう。
大問2、3においては、都立中高一貫校の共通問題で、その時の地域性や時事的要素が取り入れられています。
一般常識の範囲の知識を持つのはもちろんのこと、この2~3年内で話題になったニュースなどを知っておくとよいでしょう。
国語は桜修館中の独自問題で、スクールミッションにもある「真理の追求」にある高い知性に基づき、論理的に考えたり、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるという観点も取り入れられています。
言語や文化、学習に関するテーマの文章を読み慣れておくこともおすすめです。
区立をふくめ、東京都内にある11の都立公立中高一貫校の入試は、共通する問題と独自の問題、そしてその配点には違いがあります。
自分が目指す学校の特徴や傾向を把握し、必要な部分に必要に注力し、高い受検倍率から勝ち上れるよう計画性ある学習を進めたいものですね。
受検(受験)対策はもちろん、他県の公立中高一貫校の様子を聞いてみたいなどお気軽にご相談をお待ちしております。
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