【オンラインで公立中高一貫校対策】札幌市立札幌開成中等教育学校に合格したいあなたへ

北海道の数少ない公立中高一貫校。札幌では唯一。

札幌市立札幌開成高校を母体とし、2015年に札幌開成中等教育学校として再出発。

 

さて。この札幌開成中等教育学校の中学受験事情を掘り下げる前に、触れておきたいのが、この学校の位置づけ。

 

道内または札幌にお住まいの方には、まだこの公立中高一貫校の中学受験はあまり馴染みの無いものなのかもしれません。なぜなら、札幌北・西・南高を筆頭に、優れた公立高校がありますので、小学校の間勉強にさほど心配事のないお子さんであれば、「黙って中3でそこを目指して進学できれば御の字」と思ってしまうのが常。

実際、公立中高一貫校受験をさせようと親が決める大きなポイントは、大学進学実績にあると言えます。

 

中学進学の際受験をするか、高校進学の際受験をするかのタイミングの違いはあるものの、結局、高3で大学受験をするのは同じ。だったらそのとき良い結果になる方法で、そこまでの過程を考え選択するのは至極当然のこと。

 

実際、前身・開成高等学校の既存の生徒たちによる2019年の大学進学実績でいえば、北海道が誇る名門国立・北海道大学への進学者数は9名。一方、札幌北高校は122名(内現役は95名)。札幌西高校であれば、71名(内現役は51名)

 

しかしここで留意しておきたいことは、2015年設立の開成中等教育学校は、第一期生がやっと高1になった段階ですから、まだこの開成中カリキュラムによる学びがどのように大学進学実績に実を結ぶのか、周囲は静観している状態にあること。今の進学実績が、開成中(中高一貫校)の本来の力の結果ではないわけです。

 

現在、札幌開成中等教育学校を受験させようと考えるご家庭には、大きく2パターンあると推測します。

1つは、一貫校のカリキュラムに魅力を感じ、今でこそまだ大学進学実績は他の公立高校に劣るにしても、将来的には良くなるはずだという期待値からであるご家庭。

もう1つは、小学校の学習に心配があったり、または中学にあがってからの勉強に心配があるために、中高時代を時間を有効に使い長期的に学校生活を学び、楽しんで過ごして欲しいと考えるご家庭。

 

いずれにしても、わたしは公立中高一貫校受験は、トータル的に考えると良いモノだととらえます。

公立中高一貫で学費据え置きのままに、普通の公立中学では経験できない学習カリキュラム(特に理数英に力を入れたもの)で学ぶことが出来ること。仮に不合格になっても、なんのリスクなしにそのまま地元の中学へ進学できること。

なにより、小6の段階で何かに挑戦するということは、子どもの精神的な部分に著しく大きな成長をもたらしますので、その後の彼らの挑戦や経験の大きな糧と成り得ます。

もちろん合格はしたいですが、4人に1人しか受からない受験です。ダメだったときにもその成果は大きいという意味で、これはお金を払っても得られないものなので、「可愛い子ほど旅をさせろ」という言葉のとおり、子どもにもその気があればひとつ挑戦させてみることを推奨します。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題!

いざ札幌開成中等教育学校を受験する!となったときのための情報です。

定員数は、男子80・女子80の、計160名。2018年の受験倍率は4.6倍

1次審査で、適性検査と調査書から、男女各80名×2倍にあたる160名・計320名を選抜し、2次審査のグループ活動を実施。1次2次審査を総合的に判断し、最終的な入学選抜者160名が決定。

 

まず、提出される「調査書」については、通知表の三段階評価・総合的な学習や特別活動の記録・出欠の記録・総合所見などが記載された内容です。また、本人直筆の志望理由書も必要です。

 

次に2次審査の「グループ活動」ですが、授業形式のグループ活動を通し、発表(主張)や他者との研究観察・意見交換など、イメージはグループディスカッションのようなスタイルです。

 

そして受験生のもっとも大きな関心事項である、1次審査の「適性検査」について。実際解きながら分析してみました。

 

まず、他県の問題と比較すれば、国算理社といった科目内容に関する問題がほとんど見られない点珍しいと言えます。

資料をもとにして考える問題や、対話形式になった文章から読み解く問題の形式そのものは、他県と同様です。しかし問われている内容そのものは、新・学習指導要領の施行にともない導入されるプログラミングを実用化するような問題や、科目とは直には全く関係無く、日常のよくある場面からその問題点や改善案を記述させるような問題で構成されています。

 

次のような絵が与えられ、そこからわかる問題点を10コも挙げなければならないのです。

3~5つ程度なら、誰でもすぐに思いつくでしょうが、10ともなれば、大人でも頭を抱えるはずです。

ふだん国語の問題が特に何も勉強していなくても解けるというようなタイプの子や、学級委員や児童会といったリーダーシップを取るタイプの子に向いているような内容。

また、条件を正しくぬかりなく読取り、丁寧に判断していく作業が必要であるため、普段のテストで計算ミスや読み違い(思い込み)などが少ない子の方が適していると言えます。

 

これらから総じて言えることは、札幌開成中等教育学校を受験したいお子さんは、その対策として国算理社等の科目をひたすら勉強するのは愚策です。

もちろん小学校内容の学習は、入学後のことを思えば、基本をしっかり身につけておく必要がありますし、SSH・SGHの認定校ですから、算数・理科・英語の力は、一般的な中学受験相場までは力をつけておくほうが望ましいでしょう。

 

ただ、それ以上に必要なのは、物事を深く考え思慮深くあることと粘り強く正確に情報を処理できることそして頭の中で考えたことを言葉(文字)として適切に表現できること

 

ですから、対策として取り組んだ方がよい学習としては、以下の項目を推奨します。

①150~200字程度の文章を要約するトレーニング

②日常生活から問題点を見つけ、それをどう改善すればよいかを200字程度で作文するトレーニング(具体的に書く練習)

③中1数学の「資料の整理」という単元のグラフを書いたり数を求めたりするトレーニング

④札幌市の時事ニュースを日々チェックする

⑤様々な観点から、札幌市の特質を調べノートにまとめる調べ学習をする

 

実際ご家庭で①~⑤をやらせ親がチェックするというのは難しいことであるかもしれません。

CbyEDTECHのTEKIKENコース担当者は、全国の公立中高一貫校受験をするお子さんたちの適性検査から面接・作文まで、トータル的に7年に渡り指導して参りました。

志望校に最適なプログラムをご提案し、ご家庭での日々の受験勉強が円滑に進むよう、オンラインで毎日(原則平日)サポートしております。

札幌開成中等教育学校の受験のことでお困りのことがございましたら、是非お気軽にご相談くださいませ。

TEKIKEN―公立中高一貫校適性検査