現6年生の公立中高一貫校受験が終わり、4年生5年生のお子さんやその親御さんたちは、後に続けと今、
公立中高一貫校を受験するのか?
どの公立中高一貫校を選べばいいのか?
と、ネットや資料で様々調べていらっしゃる時期だと思います。
東京都のように、一地域に複数の公立中高一貫校が存在していると、「どの学校がいいのでしょうか?」というご相談は、本当に多く寄せられます。
今回は、その公立中高一貫校の志望校選びのコツとしてあげられる、ホームぺージのチェックすべきポイントを、ご紹介していきたいと思います!
公立中高一貫校の受験を検討し始める第一歩として、ホームページをチェックすることは、誰もが必ずやることでしょう。
各学校のホームページにも、様々色があり、それぞれの学校の特色がよく表れています。
公立なので、私立と違い、HP等の宣伝広告・広報に割ける予算も違うはずですから、正直、見にくいものやちょっとお粗末なものもあります。
けれど公立中高一貫校においては、ホームページのクオリティー以上に注目してみるべき内容があるので、いわゆる外見的な要素より、中身をしっかり吟味してみるようにしましょう。
さて、ホームページには様々なコンテンツ・コーナーがある中で、この【HPのここを見よ!】でご紹介したい見るべきポイントは、2つ!
この2点をチェックすれば、その学校の8割は把握できるといっても過言ではありません。
1.)学校はパートナーさがしのつもりで
見るべきポイント1つめは、ほとんどの公立中高一貫校のHPの「HOME」欄、または「学校概要」欄にある、校訓、教育方針・理念、教育目標、育てたい生徒像 というような項目です。
実はこの欄、志望校選びの判断には、非常に大事なページなんです。
どのように大事かと言えば…
ここに書かれている内容と意図をよく理解すれば、自分(お子さん)とその学校の相性が分かるのです。
また、受験で挑むであろう適性検査の問題構成や出題傾向、面接やグループワークなどでの質問の意図もくみ取れるようになります。
いわば、試験の範囲表のようなものとでも言いましょうか…。
お友だちや恋人、人間関係づくりには、相性って大事ですよね?学校も同じだと思います。志望校選択は、パートナー選びといっしょ。
受験をクリアして入った学校でよくあるのは、「入ってみたら、思っていたのとちょっと違った」という声。
どんな受験であっても、一生懸命努力して、頑張ってつかみ取った合格だったからこそ、学校への期待も大きく、実際の学校生活を過ごしてみたら思い描いていたのと違っていた…と、がっかりしてしまうことも。
受験校・出願校は最終的には、偏差値学力レベルなどのボーダーラインからの判断にはなるでしょうが、志として最初に掲げる志望校は、「行きたい学校・目指したい学校」であり、その学校と自分(お子さん)や親御さんの教育方針が噛み合っているのかどうかは重要!
例えば、こちらは大阪市立咲くやこの花中学校のHPの該当ページ。
校訓は…
進取:目標に向かい積極的にチャレンジできる人材の育成
創造:豊かな表現力を持ち、創造性を発揮できる人材の育成
敬愛:社会性や協調性に富み、国際社会で活躍できる人材の育成
H31年度の適性検査Ⅱの大問1が以下の問題です。
↓↓
この課題からは、赤字部分の反映が見受けられるようです。
大阪市立咲くやこの花中学校の適性検査Ⅱでは、60分という制限時間内に、上記のような課題作文を、360字以上400字以内で2つ書かせます。
まさに必要なのは表現力。
また、課題内容を見ても、世界的な広い視野で自分たちが暮らす大阪を考え、それを発信するような立場に立って取り組まなければなりません。
このように、各中学校が求める人材、育てたい人材像が明確にあり、まず受験する側がそこに共鳴・共感できるかどうかは重要です。それが、お子さんとその学校の問題や課題との相性ともいえるはずです。
この部分をよく理解していれば、面接・グループワークなどにおいても、どのような回答・受け答えが望ましいのかも自然に見えてきます。
2.)中高一貫校の強みは大学受験への備え
見るべきポイント2つめは、「進路」欄にある、進学状況、進路状況、進学実績 というような項目です。
入学するときは中学・中等部ですが、卒業するときは高校生。一貫校ゆえ高校受験こそありませんが、入学から6年後には、大学受験をすることになります。
ですから、卒業生たちが一体どんな大学に進学しているのか、または、将来的に視野に入れている大学に、その学校からどれくらいの割合の生徒が進学しているのか、予め把握すべきです。
例えば、こちらは都立小石川中等教育学校のHPの該当ページ。
↓ このように
↓ 進んでいくと…
都内一番人気を誇るだけあり、旧帝大をはじめ難関大の合格実績が輝いています。
国公立・私立問わず、中高一貫校の学習カリキュラムでは、学年を越えた先取り学習が基本。数学が特に著しいと思いますが、そのほとんどは、中3時にはすでに高校数学に突入しています。
それもこれも、旧帝大を筆頭とする難関大学へ現役合格させるためには、2次試験の難しい記述問題が解けなければ、歯が立ちません。
ですから、1次段階であるマークシートのセンター試験(以降、新共通テストに変わりますが)においては、高2のうちにある程度完成された状態まで近づけておきたい。
そのためには、高校の履修内容はできるだけ早くに終わらせ、2次の記述対策まで十分に備えられる時間的な余裕が欲しいのです。
こうした大学受験を見据えた学習カリキュラムやそこへの熱のある指導が整わなければ、合格実績数などは出ませんから、これらの数字そのものが、その学校の質レベルとも言えます。
旧帝大でなくても良いですが、自分(お子さん)が将来進みたい・行きたいと思うかも知れない大学への実績数がどれくらいかを参考に、中学選びも行うのが望ましいです。
公立中高一貫校の志望校選びの際は、この2箇所をまず最初にチェックして、そのあと、入りたい部活や学校行事の様子など、その学校生活がより具体的に分かる情報を見て、夏のオープンスクールなどに実際に足を運ぶようにしましょう。
求められる生徒像が「社会を引っ張るリーダー」であれば、個の力の大きさが求められますし、「協調性を」とあれば、自分が自分が!といった積極性以上に」、まわりと強調協力し合える広い視野と柔軟性が求められますし、まずは受験者自身がどういうタイプかを踏まえ、パートナーとなりうる学校との相性を確認しておくと良いですね!
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