2月3日に行われた、令和2年度の都立中高一貫校受験。
同月9日には結果が出て、各中学校の入学者が決定しました。
合否発表からまだ日が浅く、著作権等の問題で、各中学校の適性検査はHP上にまだアップされておりません。
アップされ次第、順を追って、その傾向や分析を情報としてお伝えして参りたいと思いますが、今回はまず、すでに公開されている都立小石川中等教育学校の適性検査Ⅲについてのアレコレを、ご紹介したいと思います!
ほとんどの方が真っ先に気になる関心ごとは
「どんな問題が出題されたか?」
だとは思いますが、実際の問題よりも先に是非みていただきたいのが、ここ!
矢印の注目‼の部分、「出題方針」です。
この適性検査Ⅲの出題指針としては、以下のような記載があります。
※資料抜粋
★みられる力★
身近な事象を通して、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を総合的に解決できる力
★ねらい★
① これまでに身に付けてきた知識や経験を基にして、課題を解決する力をみる。
②自然科学への興味・関心の程度、表現力・論理的な思考力をみる。
③事象を数理的に分析し判断する力など、総合的な思考力をみる。
青太字の部分は特に注目すべきポイントです。
この出題の指針やみられる力を理解すれば、普段の勉強ではどんなことを学ばなければならないかが、自ずと見えてきますね。
少なからずこの適性検査Ⅲでは、ただ中学受験用の問題集を解いておけばよいというわけではないのがよく分かります。
では、実際出題された問題について触れていきます。
※問題は、こちらを参照ください。
大問1では、理科や家庭科の知識を生かしながら、その事象を確認する方法(実験方法や考察方法)を論述させたり、そこから結果を推測させ記述させるなどの問題が見られます。
よく理科の実験で、何か結果を導くのに、どういった差をつければよいかなどを問う問題がありますが、そういったイメージです。
例)植物の光合成には光が必要かどうかを調べるために、片方の葉っぱはそのままに、もう片方の葉っぱはアルミ箔で覆う、などする違い。
大問2では、対話文から展開される、算数(数学)の場合の数・確率のようなタイプの問題です。
対話をよく読み、その中から条件をしっかり拾い、数学的に情報処理できるかどうかの力が問われます。
本来算数が得意でも、問題を飛ばし読みするようなせっかちなお子さんは、苦手かもしれません。
大問2はそれでもまだ算数らしい問題なので解きやすいでしょうが、大問1のようなタイプは、知識だけでは対処しきれませんし、書いた解答が合っているのかどうか受験者自身で確信が持てない、文系要素をもつ出題の仕方なので、苦戦するお子さんも多いはずです。
こういったタイプの問題集があまり存在していないのも、勉強のしずらさの原因となる一つです。
今後できる対策としては、理科で学ぶことが実生活でどのように生かせる知識であるのかを考えながら勉強することです。
例えば、小5で電磁石・コイルを学んだのなら、それがリニアモーターカーやエスカレーター、掃除機といった、身の回りでそれがどう活用されているのかという、実場面を兼ね合わせたイメージが持てるかどうかが大切になります。
机に向かってカリカリ鉛筆を動かすような勉強ではなく、科学館や博物館、企業が子ども向けに開催するイベントなどに足を運び、知識の実用化を図る学び、をおススメいたします。
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