去る7月31日(土)
宮城県内の公立中高一貫校の1つ、仙台二華中学校の学校説明会が行われました。
弊社にも二華中学校の受検を希望する生徒たちがいて、事情により参加できない会員様に代わり、お話を聞いてまいりました。
ちょうど6、7年前にも説明を聞かせていただいたことがありました。
その時、
「自分が宮城県内在住で、子供をもつ保護者なら、ぜひ通わせたい学校だなぁ」
という感想を持ったのを覚えていますが、今回の説明会はさらに、そう思わずにはいられない二華中の魅力が倍増していました!
申し込みが間に合わず参加できなかった方々、まだ受検を迷い参加しそびれた方々のため、仙台二華中でうかがってきた知るべきポイントと、学校の魅力について、お伝えしていきます。
⑴ 仙台二華中学校の概要
かつての宮城県立第二女子高等学校が、2010年男女共学の公立中高一貫校となり、現在の仙台二華中学校・二華高校が誕生しました。
校訓として「新取創造」「至誠貢献」を掲げ、豊かな心と高い知性を持ち、進取の気風と創造性にあふれ、社会のリーダーとして、自他国の発展に貢献できる人間の育成に取り組んでいます。
中学入学時に男女合わせて105名の入学者を受け入れますが、高校からも高校入試を経て内部進学者以外に135名の入学者を受け入れます。
中高が同じ敷地内の校舎で学びますので、敷地やその校舎は比較的大きく、新設された新中学1年生が学ぶ校舎は、東北地方では初となる、吹き抜けのある7階建てです。
最上階の7階には、大学のような広々とした大きな講義室もあり、これが本当にいち地方の公立の学校か?と驚くばかりです。
仙台駅南方、駅から歩いて10分程度。
仙台二華中は宮城県立となりますので、仙台市内だけでなく、名取市や石巻市といった他市からも通学することが可能です。
そのため、仙台駅からさらにバスや地下鉄など交通機関を使わなくても通学できる立地は、生徒にとっては助かりますね。
⑵ 二華中学校特有の魅力や個性
二華中の説明会はいつも、生徒会を中心とした生徒たち自らのプレゼンです。
コロナ禍ということもあり、今回の説明は、あらかじめ動画にまとめらていてそれを放映する形でした。
だからこそ逆に、その学校紹介動画が、生徒たちの発想力豊かで、作り込まれているのもよく分かりました。
職業柄、わたしは全国各地の様々な公立中高一貫校を訪れ、説明会に参加させていただいていますが、二華中の生徒会により説明は、群を抜いて素晴らしいです。
それがいけないというわけではありませんが、説明会では多くの在校生がもともと書かれている原稿を見ながら読み上げたり、その原稿を暗唱したりします。
しかし二華中学校の生徒さんたちは、ただの暗記の吐き出しではなく、自分の言葉としてその場の空気感の中で伝えているのがわかるので、自然で聴きやすいのです。
在校生たちが、二華中の学校生活の中で、いかに質の高い学びと成長を得ているかが伝わるので、保護者の無方々も「うちの子もこんなふうになるならぜひ行かせたい」と思われるのではないでしょうか。
そんな在校生らによる学校紹介の中で、特に受検を検討している小学生たちによかったであろう内容は、次のことだったと思います。
・制服について
・昼食、学食について
・ロッカー利用について
・図書室、自習室について
制服は、仙台第二女子だったことからの伝統を引き継いだ紺色の、華美ではない至ってシンプルなデザインのものなのでしが、その紹介の仕方が最高でした。
紹介動画の中で、ファッションショーのように生徒たちが着方のパターンを雰囲気たっぷりに紹介してくれます。
女子生徒であっても、スカートではなくスラックスとの組み合わせもOKだそうで、トランスジェンダーの社会的課題へも考慮されていることがわかります。
昼食においては、二華中は給食がなく、お弁当持参である前提のもと、二華弁という日替わり弁当を購入することが可能であることと、特定の日には高校生同様学食で食事することも可能であることは、毎日給食の学校生活しか知らない小学生は、憧れになったはずです。
生徒たちに与えられるロッカー。
教科書や辞書など置いておくことができるのは、何も珍しい仕組みではありません。ここに着眼して紹介するのも、在校生ならではのアイディアだと感心します。
実際在校生が使用しているロッカーの写真。
収納のプロ、のごとく、突っ張り棒などを自ら設置し、デッドスペースが生まれがちな学校のロッカーならではの縦長スペースを、上手に工夫し使っている紹介は、女子児童などには大いに参考になったのではないでしょうか。
図書室の自習室スペースというのも、新しい中学校生活に夢馳せる児童たちには、勉強している自分のイメージが湧いたに違いありません。
特に小学校と違い、「試験勉強」というものと向き合っていくことになりますから、ただ授業を受ける場所だけではなく、自発的に勉強したいときに使えるスペースがあるのは、意識の高い子どもたちは学習意欲をくすぐられたと思います。
⑶ 受験制度や入試問題に関すること
一般的には県立中学と市立中学では、試験日程がずれれば併願可とされている地域も多いのですが、宮城県においては、
●宮城県立仙台二華中学校
●同県立古川黎明中学校
●仙台市立青稜中学校
それぞれの併願は不可となります。
滑り止め感覚で、私立受験のような複数受検はできませんので注意しましょう。
また、小学校での英語教育が早まったことから、過去のように適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱ、面接、というようなことではなく、適性検査はまとめて「総合問題(筆記)」とされ、英語は「総合問題(リスニング)」とされました。
そこへ作文と面接(グループ)が加わり、合否は総合的に判断されます。
総合問題(筆記)60分▶︎休憩20分
総合問題(リスニング)10分▶︎休憩15分
作文40分▶︎休憩20分▶︎面接 という流れ。
作文も、適性検査の補足判断材料のようなものではなく、所要時間40分としっかり時間確保されていますので、その力は入試直前まで先延ばしせず、事前にしっかり鍛え対策しておきたいところです。
令和4年度の募集要項は、宮城県教育委員会から発表されていないのでまだ明らかではありませんが令和3年との相違はさほどないと思っていいでしょう。
ここまで、良いこと尽くしの仙台二華中学校ですが、1つ言うなれば、大学進学実績について触れないわけにはいません。
もともと二華中学校で、中1から高3まで6年一貫された指導を受けているのは105名という母体人数ですので、難関大学合格者が多いはずはなく、あくまで割合としての見方が必要にはなります。
ただ全国他県の公立中高一貫校の合格実績と比較すると、決して優れているとは言えない数字です。
ともすると、宮城県の場合は、仙台二華中(高校)に進学するよりは、地元の中学に進級し、そのまま仙台一高、二高、宮城一高、二高に進学した方が、大学進学実績の数字だけで言えば大きいため、旧帝大を中心とする難関大合格を見越すのであれば、本当に二華中学校受検がベストかは、よく考えてみてもらいたいところです。
※大学進学実績についての詳細は、仙台二華高校HPの以下ページでご確認ください。
↓↓
https://nika.myswan.ed.jp/shinro
時代が変わり、現在の30〜50代の保護者世代の時代とは、その大学受験事情や相場もかなり異なります。
進学実績に名を連ねる大学名に重きを置いて評価するのではなく、子どもたちが学ぶ環境としてどうか、ともに切磋琢磨する仲間たちがどうか、その中身をよく知り、総合的に見て仙台二華中学校・高校は、我々のような立場からもぜひお勧めしたい学校です。
最後になりますが、この時期に行われる説明会は、大体の中学校が「学校説明会」であり、主に学校生活に関わる説明となります。
受検に関する入試制度や仕組みなどを説明する「入試説明会」は、10〜11月の秋頃開催されることが多く、その折に願書も一緒に配布される学校も多いです。
今回参加できなかった方々も、そちらの予定はあらかじめご確認のもと、ご参加されるのことをお勧めします。
仙台二華中学校、説明会直後のほやほやな情報、いかがだったでしょうか?
まだ受検の覚悟を決めきれずにいる子どもたちとその親御さんたちの、背中を押す勇気となれば嬉しいです。
まだまだ夏休み前半、二華中合格にむけ頑張って勉強に励みましょう!
【参考サイト】
【関連記事】