10月2日(土)
都立・公立中高一貫校の受検を目指す小学生の保護者様を対象とした、オンライン保護者会、名付けて ❝G★Parents❞ を開催いたしました。
普段はPCやタブレットなどの画面越しに、全国各地の子どもたちと接しているところ、今回はその親御さんたちと、都立・公立中高一貫校への進学や受検について、深く考え向き合う機会をいただくことができました。
テーマは、受検生の親の心得。
特に6年生の親御さんの中には、ここから本番までの約3ヶ月、「一体何をしたらいいの?」と心配されていた方も、きっと少なくはなかったでしょう。
いつもであれば、親御さん達のお考えやお声を、子どもたちに言って聞かせ代弁する立場の我々ですが、今回ばかりはそうした親御さん方に、実際の子どもたち・受検生の、親御さんたちに対するリアルな声をご紹介し、どのようにご家庭で受検をサポートしていただくのが良いのかを、考えていただくきっかけになったのではないでしょうか。
今回の保護者会でのコンテンツは3つありました。
「1.入試本番までのスケジュール」は、弊社運営マネージャー 早矢仕より、お話させていただきました。
弊社が都立・公立中高一貫校を志望するお子さんをおあずかりする入会時から、その子の受検本番までを、どのようなスケジュール感でどのように指導していくかという流れをご説明しております。
基本的に、ご入会時はbasicコースに所属いただき、学校よりも科目履修を先取りし、6年夏休みを迎えるまでに小学全範囲を完了させます。
この段階では、特に難しいレベルは扱わず、学校のテストで90〜100点を安定して取れるくらいのレベルでの習得です。
また、同時に、漢字や計算、英単語といった、超基礎力を、早く正確にをテーマに鍛えます。
それが終わりましたら、6年夏休み以降、いよいよadvanceコースに移行します。
Advanceコースでは、適性検査の問題演習と解説フォローが主たる学習テーマで、Basicコースで培った各教科の基礎知識を、適性検査の問題実践を通してアウトプットしていくトレーニングの段階です。
最初は、日本全国、約20〜30の他県の適性検査過去問演習をこなし、その後、10〜11月くらいには、弊社がご用意する、その受検生お一人お一人に最適にカスタムされた適性検査過去問を集中的に演習することで、出題頻度の高いものに慣れたり、それぞれの苦手分野を克服していくことができます。
最後、本番までのまでの残り1ヶ月ほどは、各受検生が志願するそれぞれの都立・公立中高一貫校の、実際の過去問を使った演習です。
時間を計りながら、どのくらいの正解率で、実際の合格ボーダーに対しどれくらいの位置にいるのかを確認していく、いわば集大成の状態。
その他、志願理由書の書き方、面接やグループワークへの対策と取り組みを、それぞれの入試日程に合わせ行っていくことをご案内いたしました。
「2.受検の新傾向や注意点」「3.子どもとの向き合い方」は、私・代表 山本よりお話させていただきました。
適性検査の新傾向としておさえていただきたいポイントして、2つ。
「最新2021年度の適性検査にどのような特徴が見られたか」という点。
それを踏まえ、「次の2022年度から5年先くらいまで、当面どのような出題傾向が予測されるか」という点。
実例をもとにご紹介した、とある県の過去問題は、一見簡単そうに見えても、記述になれば、頭の中にあるぼやりした答えをうまく文字としてまとめられなかったり、使用すべきワードを含でいなかったり、与えられた資料に触れていなかったりと、しっかりマルをもうことがなかなか難しいという事実に、驚かれた親御さんもいらっしゃいました。
適性検査は、どれだけ対話文や資料・グラフなどをしっかり読み取れ、それを解答に反映できるかがカギなので、丁寧さ慎重さに加え、柔軟性が必要です。
そうした適性検査に関する情報をお話した上で、
You may lead a horse to the water, but you can’t make him drink.
というこの言葉をご紹介し、強く保護者の方々に訴えたことは
「親御さんとしての信念を、強くもってください」
ということ。
小学生が中学受験(受検)を目指すというのは、その仕組みや入試制度、相場など、子どもたちが詳しく知る由もなく、親御さんのご意向であることがほとんど。
いくら子ども自身が「行きたい」と言ったとして、それは親御さんによるすり込みであることが8割以上です。
それが悪いという意味では決してなく、そうでもしない限り、情報の少ない子ども自ら、それを言い出すということはまずないことなので、きっかけは親御さんが作るしかありません。
ただ忘れてはいけないのは、受験(受検)当日、親御さんが試験会場へ行き、代わり受験(受検)することはできない以上、最後は本当にお子さん自身が受験(受検)を望んでいなければ、成功させることはできないという事実を、親御さんもしっかりと受け止めておかなければならないということです。
❝You may lead a horse to the water, but you can’t make him drink.❞
の言葉どおり、親御さんも我々も、子どもたちを受験会場に連れていくことはできるのですが、そこで試験をうけ、合格をつかみ取れるのは、お子さんご本人だけ。
ですから、そもそもご本人にその意志なくして、受験(受検)はまわりの思い通りには決してならないということです。
そしてまた中学受験(受検)は、合格して不合格になっても、リスクを伴うことを知っておかなければなりません。
早い子であれば、多感な思春期を迎え出す小学校高学年。
精神的な成長過程にある最中、もし不合格になれば、心に大きなダメージを受け、時に、その先のトラウマになる場合もあります。
一方、親子二人三脚のようにして手にした合格だとしたら、決して子どもだけの力でないのも中学受験。
仮に合格できても、それから自分の力を過信した子は、受験(受検)が終わった瞬間から努力をやめ、中学・高校になって挫折していきます。
そうしたメリットデメリットも踏まえ、赤裸々に中学受験(受検)を語り、受験することがその子どもたちにとって本当に良いことなのか?を、保護者の皆様に、一度立ち止まって冷静に考えていただきました。
その上で、最後に「する・しない」の決定権は、我々ではなく、親御さんと子どもたち自身にしかないことを改めて申し上げ、その基準となるのが「親御さんの信念」だということお伝えしました。
だめでもいいから壁にぶつかる強い気持ちを学んでほしい!
と、受検する決断をするのも、
精神的にまだ受験(受検)に向き合えそうにないから、高校受験までは様子をみよう!
と、受検をやめる決断をするのも、
すべて親御さんのぶれない信念によるもので、正解はないのです。
そしてその信念と、親の期待に応えたいと健気に努力するその子どもたち、受験生(受検生)を、我々は我々の立場で、できる限りのサポートをしていくだけです。
今回の保護者会は、受験生(受検生)本人・ご家庭(親御さん)・我々(塾)のバランスを保ち、それぞれの役割を果たすということで締めくくりました。
最後に、これまでの受験生(受検生)たちが受験後に述べた親への感謝で上位にあたる意見を3つご紹介しました。
【受験生(受検生)が、入試後に親に感謝すること】
⒈ 放置してくれたこと⇒信頼して見守ってくれたこと
⒉ 生活面のサポートをしてくれたこと
⒊ 本番当日、不安なときに励ましてくれたこと
きっと親御さんたちは、親が子どもにしてあげられることは、本人の勉強に対してあれ手や口を出すということではなく、子どもたちを信じるということだということに気づかれたのではないでしょうか。
努力して臨んだ受験(受検)の結果に絶対はありませんが、親子の信頼関係には絶対があります。
中学受験(受検)では、それを通してぜひ、様々な価値あるものを親子で築いていただけるよう、我々も自分事としてしっかり役目を果たして参ります。
ご参加くださった保護者の皆様、ご清聴いただき誠にありがとうございました。
【参考サイト】
文部科学省・中高一貫教育
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/main5_a2.htm
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