【オンラインで都立・公立中高一貫校受検対策】受かるために必要な、鍛えるべきチカラ

G.Wが過ぎ、例年、梅雨の季節を迎える今ごろになると、「中学受験(受検)の対策はいつ始めるべきですか?」という問い合わせや相談が増えます。

 

新学年の生活が少しずつ落ち着き始め、受験(受検)するなら、そろそろ始めないとかしら…と、特に4年生や5年生の親御さんが考えられるようです。

 

 

 

 

中学受験、とりわけ都立・公立中高一貫校の対策開始時期においては、以前書いたブログをご参考にしていただきたいですが、弊社の見解としては2パターンに分かれます。

 

 

 

パターン➀

作文など書くことは得意だが、科目ごとの知識が十分ではない子

▶5年生の冬休みくらいから6年生あたままでにスタートするのが望ましい

 

 

パターン➁

科目ごとの知識は十分だが、作文など書くことが苦手な子

▶遅くとも小4夏休みまでにスタートするのが望ましい

 

その子の苦手分野によって、克服にかかる時間と労力が異なりますので、お子さんがこの2パターンのどちらに該当するかで、対策開始時期の目安をご判断ください。

 

 

 

 

 

 

さて、都立中高一貫校、公立中高一貫校入試では、ご存じのように「受験」ではなく「受検」と定めます。

 

文科省が定めるところの都立・公立中高一貫校の存在意義は、志願者たちを競わせ、難解な入試問題で振るいにかけ、より高い学力を持つ優等生を選定し、難関大学に合格するエリートを育てる有名私立の中高一貫校とは大きく異なります。

 

これまで、小学校卒業と共に自動的に学区内の決まった中学校へ進学するだけだった公立の中学進学パターンに、選択肢の幅を広げようとしたことが発端です。

 

 

しかし、市町村が運営する公立の学校規模は決まっていて、希望者全員を通わせるというわけにはいきませんので、やむを得ず定員を絞るしかありません。

ですからその方法が、優秀な(学力がより高い)子どもを選定する「入学試験」ではなく、学校の定める理念や校訓などに近しい考えや発想を持ち意欲的に学べるかどうかを調べる「適性検査」となるのでです。

 

 

 

こうした背景から、都立・公立中高一貫校に課せられるその適性検査は、私立の入試問題のように、両学校の履修範囲を逸脱した中学レベルの内容や、難問奇問は出題されず、あくまで小学履修(教科書)範囲からの出題と定められています。

 

この意図を知らないままに、ただ「中学受験をしてみよう!」と思われた親御さんが、自分たちの経験や、これまでの一般的な中学受験の常識のままに、子どもに私立中学受験と同じような勉強や対策をしようとする、誤ったケースが多くみられます。

 

 

 

例えば、中学受験の王道テキストと言えば、この「新演習」シリーズ。

 

 

大手から個人まで、多くの中学受験指導を行う塾で使用されていますが、都立・公立中高一貫校受検においては、この問題集を使わずして十分な対策ができます。

 

 

「新演習」自体は、もちろん良い教材です。

ただそれは私立中学受験対策としての話。

 

都立・公立中高一貫校対策で言えば、お子さんの学力レベルや克服したいジャンルによっては、その取り組みが徒労に終わり、適性検査の問題が一向にできるようにならないという場合があるでしょう。

 

つまり、「新演習」を使ってはいけないということを申し上げたいのではなく、親御さんや過去の常識のまま都立・公立中高一貫校の受検対策を行おうとすることに、注意を払わなければならないということです。

 

よくあるのは、メルカリなどで過去の中学受験経験者が出品している、

#中学受験

で出てくるような教材を、そのまま鵜呑みにしてやらせるケース。

特に2020年の新学習指導要領施行と、伴う教科書改訂によって、3年以上前の教材は、内容に不足もありますので注意が必要です。

 

 

 

 

今回のブログのタイトルでもあるように、「都立・公立中高一貫校に受かるためのチカラ」についてをはき違え、ズレた中学受検にならぬよう、具体的にどうすべきかを、これからお伝えしていきます。

 

 

早速ですが、次の問いについて考えてみてください。

 

 

 

【問題】

上の絵のような、水を用いる昔ながらの方法を使った発電の仕方が近年注目されています。この発電の仕方の長所と短所(課題)をそれぞれ説明しなさい。

 

 

これは2021年福井県のとある公立中高一貫校で出題された適性検査問題の類題で、難易度で言えば、基礎レベルに相当します。

 

 

大人であれば「水車」とその仕組みのことなど簡単に分かるものですが、こうしたものを見たことのない現代っ子には、身近でない上、まるでイメージできず説明がつかない受検生もいるでしょう。

 

小学校の社会や理科で、自然エネルギーや再生可能エネルギーを取り上げ、SDGsの取り組みを絡め、太陽光・風力・水力・地熱発電などを学びます。

教科書には主に、太陽光パネルや風力タービンの写真、水力の場合はダムが掲載されているだめ、水車を見てもピンとこないかもしれません。

 

 

数年前は太陽光発電、この2~3年は沿岸部の風車の風力発電、温泉地の地熱発電が、問題例として取り上げられやすいです。

 

この問題も同様、その応用の一例に過ぎません。ですから深く考えすぎず、こう解答しましょう。

 

解)

メリットは、CO2を排出せず環境に悪影響がない上、枯渇の心配がないこと。

デメリット(課題)は、水車によって捻出できる電力が小さいこと、気候により降水量が少なく水の流れが無い場合には発電できないこと。

【参考サイト】エネチェンジサイト

 

こうした問題は、太陽光だから、風力だから水力だからという細かな違いではなく、自然エネルギーであることの本質的な観点から解答します。

 

こうした大人が見れば何でもないような問題でも、教科書上の構成や見せ方の問題で、その応用された情報を知らずに躓く子はいるのです。

 

 

 

適性検査のこの類題を具体例にすれば、都立・公立中高一貫校受検に受かるためのチカラが見えてきます。

断言できるのは、もっとも必要なものは高い学力ではないということ。

 

学力だけで言えば、学校のテストで常に80点以上取れるくらいの基礎学力で十分です。

 

それに加え、他に何が必要かと言えば、それはズバリ

知識情報粘り強

の3つです。

 

 

知識は学力とはまた少し違っていて、例えば、

自然エネルギーとは?という問いに、「太陽光、風力、水力、地熱」などと答えられることが学力だとすると、

火力発電で生じた熱エネルギーを有効活用する方法は?という問いに、「温水プールや熱帯植物園などに施設利用する」と答えられることが知識・情報です。

 

 

とある都立中高一貫校の校長先生が、学校紹介動画の中でおっしゃっていて印象深かったことが、

「すべての物事には、原因や理由、そうなった経緯があります。常に『なぜ?どうして?』と関心を持って考えられる受検生が適性検査には向いています。」

というお話。まさにその通りです。

 

 

そして、適性検査には、問題文の中に複数人の登場人物とその会話文、多くの資料やグラフ、データが用いられています。

 

 

答えを出す以前に、問題の意図をくみ取るまでに時間がかかり、せっかちなお子さんは面倒がって端折ったり、解くのをやめて後回しにしてしったりすることがあります。

 

 

好き嫌い・興味の有無を二の次に、そうした1つ1つと粘り強くしっかり向き合えるかどうかも、本番に向けた過去問題を解いて練習を積み上げるのに必要なチカラです。

 

 

 

 

受験(受検)=勉強

とお考えになるおは当然のことではありますが、問題集を解くのも勉強、本やインターネットを活用して調べて知識を増やすのも勉強、テレビや新聞のニュースを見ることも勉強、社会課題を食卓で家族と議論するのも勉強。

勉強は多様なモノなのです。

 

 

超名門エリート私立中学受験をするのか、その子に合った自由な校風の私立中学受験をするのか、倍率が高く適性検査を課する都立・公立中高一貫校中学受検をするのか、それぞれの目的と目標に合わせ、既成概念にとらわれることなく、正しい対策をなさって、ぜひ合格をつかみ取ってください!

 

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