東京都には11校の都立公立中高一貫校があります。中でも都立三鷹中等教育学校は、受検倍率が常に4倍を超える人気校です。
アクセスはJR中央線「吉祥寺」駅・「三鷹」駅と京王線「仙川」駅・「調布」駅からバスが出ています。利用できる駅が多く、便利な立地にあります。
募集定員は160名。それに対し2024年の受検者数は769名でした。
受検倍率は4.81倍。2023年の5.78倍に比べて前年比0.97ポイント減ですが、競争率が高いことには違いありません。
2024年の適性検査問題から、三鷹中入試突破に知っておくべきいくつかのポイントをお伝えしていきます!
適性検査Ⅰの出題方針は「文章を深く読み取り、他者のものの見方や考え方を理解する力、分かりやすく適切に表現する力をみる」です。
文章1は三浦しをん著「墨のゆらめき」、文章2は標野凪著「こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。」で、共に物語文でした。各文章から1問づつ、そしてその2つの題材を踏まえて自分の考えを作文にする1問、合計3つの問題が出されました。
〔問題1〕は傍線部の内容の理由を答える問題です。
〔問題2〕文章2の傍線部の名前をつけた理由を答える問題でした。空欄を指定文字数で書く問いでしたが、登場人物の意図を想像する必要がありました。
〔問題3〕文章1・2の内容をふまえて作文を書く問題、自分の考えを書く問題。
360字以上400字以内を時間内で、原稿用紙ほぼ1枚分のボリュームをしっかり書き切れるかという問題です。
45分でこの3題を取り組む場合
〔問題1〕10分
〔問題2〕10分
〔問題3〕20分
ラスト5分で誤字脱字などの見直し、名前等の書き忘れのチェック
というような時間配分を目安にすると良いです。
適性検査Ⅱの出題方針として掲げられているのが、「資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる。」というもの。
大問を3問とし、小問7問で構成されていました。
【大問1】「ウォーキングイベント」の準備を題材にした問題でした。
〔問題1〕指定の条件を満たすような「時刻と位置の関係」を表いたグラフを図で描く問題です。
〔問題2〕判断する理由を、言葉と計算式を使って説明する問題。円周率を使用します。
〔問題3〕表を完成させる問題と、どの決め方がよいかを選び、その理由を説明する問題でした。
【大問2】公共交通手段の利用について考える問題
〔問題1〕公共交通機関の利用割合が偏っている理由を、所要時間と料金の観点から考察する問題。
〔問題2〕「ふれあいタクシー」の取り組みが必要になった理由と、導入の効果について、資料と会話文から考えられることを説明する問題でした。
【大問3】「まさつ」について調べる実験を題材にした問題
都立小石川中等教育学校と共通の問題でした。
〔問題1〕は、ペットボトルのキャップにつけられたみぞのまさつによる効果を、モデル化した実験で確かめる問題
〔問題2〕は、斜面をすべり下りる物体の摩擦力が、接地面の素材にどのような影響を受けるかを、実験から明らかにする問題
※適性検査Ⅲの実施はありません。
まずは、一般的な基礎から標準レベルの問題集で、科目知識をそつないものにしましょう。
交通機関やペットボトルなど、生活に基づく身の回りの身近なものに絡めた問題は、いかにも適性検査らしい出題です。普段理科や社会で学んだ知識が、私たちの暮らしの中でどう活用されているのが、知識と実社会を結びつけた視点で物事を捉えられるよう意識しましょう。
受けたい学校の出題傾向を知ることで、限られた時間、効率的で必要な勉強ができます。
しかしただ過去問を解く、「公立中高一貫校 適性検査問題集 全国版」(通称 銀本)を解きまた繰り返す、だけでは力はつきません。
都立中高一貫校の問題は科目ごとの単体問題ではなく、算数と理科、国語を複合的に合わせた出題が高い傾向にあります。問題文を読み解く力と作文力がとても重要になります。
そのためにはコツコツと読書と作文の両方に取り組むことが大切です。
弊社は、都立公立中高一貫校へのより具体的なアドバイスも豊富にご用意しています。お気軽にこちらからご相談ください。
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