弊社のHPを訪れ、ブログなどを読んでくださっている方々が、何を一番知りたい情報としているのだろう??
と思いアナリティクスを分析してみたところ、どうやら岡山県の公立中高一貫校受検についての情報を欲している方が多いということが分かりました。
一昨年秋に、岡山県公立中高一貫校受検について
「【オンラインで公立中高一貫校対策】岡山県にはなぜ公立中高一貫校が多いのか?」
というブログを記載して以来、しばらくの間、岡山県の中学受験(受検)に触れておりませんでしたので、令和3年の岡山県立中高一貫校受検を振り返りながら、今後の岡山県立中高一貫校の適性検査対策を記したいと思います。
1)2021年度の岡山県の実質倍率
岡山市内の県立2中学が、以下の通り3倍超え。
●岡山操山中学校 3.43倍
●岡山大安寺中等教育学校 3.01倍
倉敷市内の県立2中学が、以下の通り2倍強。
●倉敷天城中学校 2.35倍
●津山中学校 2.05倍
岡山市内の私立1中学が、以下の通り2倍弱。
●岡山後楽館中学校 1.41倍
他県の公立中高一貫校の受検倍率に比べれば、岡山県の受検倍率は比較的低いほうではありますが、それは、同地域に複数存在するため、受検者が分散しているからでしょう。
岡山県に限ったことではなく、どの公立中高一貫校でも言えることですが、受験倍率が高くなることで「レベルがあがる」という言われ方をします。
けれど、実際レベルが上がるというのには、多少違和感があります。
レベルというよりも、合格するためには受検生たちの答案の完成度が高まる、というほうが正しいのではないでしょうか。
レベルが上がるというのは、問題そのものが難易化し、難問奇問を多く含むようになり、合格基準が上がるという意味ですが、適性検査の問題は、公立である以上そのバランスと出題範囲は変えられません。
ですから、変わるとすれば、記述問題等で求められる解答の完成度が高まること(誤字や脱字といった細かい部分であげ足を取られないようにしておかなければならなくなることや、計算のスピードと正確さを高め、時間内に十分余裕をもって終わるようにしなければならないこと)なのです。
2人に1人または3人に1人しか合格しない岡山県の公立中高一貫校受検では、受験倍率が多少前後しても慌てふためき、わざわざ難しい問題ばかりを解いて対策するなどする必要はありません。
日ごろの勉強の質を高め、適当な作業勉強にならないよう、できるだけ字を丁寧に書くだとか、計算ミスをしないように意識するだとか、当日くだらないミスで減点されないような状況を作っておくのがよいでしょう。
ただし、令和4年度受検の際、その倍率が上がる可能性を懸念されるのが、岡山操山中・岡山大安寺中・倉敷天城中の3校です。
それは、昨年の大学進学実績をみれば分かります。
岡山操山中学校の場合、操山高校の大学進学状況として、地元岡山大学はじめ、鳥取大学・島根大学・広島大学と、近隣地域の国立大学実績が、例年より多くみられました。
コロナの事情もあって、遠方の難関大よりも、近いエリアの国立大へ志願が集まったのだろうと推測しますが、地方の大学受験事情としては、理想的な合格の形が見受けられます。
※岡山操山高校の進学実績はコチラから確認
また、岡山大安寺中等教育学校においては、平成30年度、平成31年度(令和元年)と、例年東大合格者は1名ほどだったところを、昨年令和2年度は、なんと7名(浪人生2名を含む)にも達しました。
地方公立としては、かなり優秀な進学実績と言えます。
※岡山大安寺高校の進学実績はコチラから確認
そして、倉敷天城中学校では、倉敷天城高校の国立大学への進学状況が、例年60名台のところ、昨年は86名と、なんと一気に約20名ほどアップしたことは、大躍進であったことに間違いありません。
※倉敷天城高校の進学実績はコチラから確認
これらのことから、この3中学は、その進学実績が呼び水となり、今後の受検倍率(人気)に影響があると見込まれるため、それぞれを志望する受検生たちは、頭に入れておきましょう!
2)令和3年の適性検査の出題傾向
同県市立の受検であれば、原則その入試問題(適性検査問題)は共通の問題です。
※昨年の適性検査問題は以下を参照
http://www.sozan-jhs.okayama-c.ed.jp/children/program.html
http://www.daianji-ss.okayama-c.ed.jp/test/test.html
2021年度は、適性検査Ⅰの問題の一部に、中学校ごとのオリジナル問題が含まれ異なりましたが、全体で言えばどの中学を受けるにしても、8割以上の問題は共通して同じもので、対策の仕方に違いはありません。
日本各地の一般的な公立中高一貫校・適性検査の大きな特徴として、対話文による問題展開があげられます。
先生と生徒、生徒と生徒、など、登場人物2~3名程度の対話文をベースとし、それぞれの会話に空欄があったり、傍線がひかれ、それを元に科目が混在し各小問を構成しています。
しかし岡山県の場合、適性検査Ⅱには多少の対話文が用いられますが、どちらかと言えば私立中学入試の問題のように、算数なら算数、理科なら理科、といった形で、大問ごと科目で単独問題の構成です。
また、問題の中で提示される資料やグラフなども、1つの小問に対し1~2個と比較的少なく、とりわけ特殊な適性検査対策というのではなくても、教科書で扱う内容を十分に理解し、市販の私立中学受験向け教材を解きこなすでも、それなりに対策できるようなスタイルに見えます。
ただし、岡山県の特徴として、適性検査Ⅰで、問題の中で与えられる数字が小数や分数であることが多いので、計算は素早く正確に、というのが必須となるでしょう。
また、答えを導くまでの、求め方の説明も必要になりますから、言葉と数式をうまく組み合わせて論述(証明)する力が欠かせません。
適性検査Ⅱは、国語の読解要素の多いタイプの問題で、全部で約300文字強の記述問題に取り組まなければなりませんでした。
記述する指定文字数が多くなる小問⑶⑷は、明らかな要約問題で、文章をよみ、字数に合わせ端的にまとめ上げなければなりません。
また、課題2では自分の考えを踏まえた200字以内のプチ作文問題となっていて、グループワークをする上で、どんな立場をとり、根拠たて何を発信するつもりかを、書きあげなければなりません。
ただ書く力だけではなく、与えられたテーマに対し、瞬時に自身の考えが浮かぶかどうかも鍵です。
社会系の問題も、6年生で教わる歴史様子は全くなく、主に5年生社会の知識で対応できる問題ではありました。
ただし、取り上げられているテーマは、「情報」に基づくインターネットなどのメディア利用についてや、ペーパーレスから近年減少している新聞広告について、世代別の情報収集や発信の仕方の違い、などで、日ごろからニュースをみたり、またはそのニュースや社会問題に対し、自身の見解を持っていないと、時間内にはなかなかその場で記述しきれないような問題となりました。
まとめると、
適性検査Ⅰ対策として
★計算力を素早く正確に解けるように仕上げておく
★私立中学受験の基礎~標準程度のレベルの問題を解いて反復練習しておく
※市販のお勧め教材はコチラ…文英堂「パーフェクトテスト」シリーズ
適性検査Ⅱ対策として
★国語の教科書にある説明文を中心とした文章の、2~3段落を目安に80~100字程度に要約する練習をしておく
★子ども新聞を読む、または昨年から今年半期にかけて話題になったニュースを食卓の話題にする
岡山県立中高一貫校受検は、まだまだこれから人気が高まると予想します。
出題傾向や必要な力をよく把握し、限られた期間でみなさんにそれぞれ適した対策を行ってくださいね!
【参考サイト】
岡山県教育委員会公式HP
https://www.pref.okayama.jp/site/16/detail-4800.html
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