岡山県の公立中高一貫校(岡山操山中学校・岡山大安寺中等教育学校・津山中学校・倉敷天城中学校)受検を検討されている方は、年々着実に増えています。
この春、もっとも多く弊社のHPを訪れ、受験情報をご覧になっていたのは、なんと岡山県の方々でした。
中学受験(受検)熱の高さが、目に見えてわかります。
岡山県には6つの公立中高一貫校があり(国立の岡山大学教育学部附属中は除く)、内4校は、受検偏差値は60を超えており、そのことからも、公立中高一貫校中学受験(受検)がずいぶん定着したことがうかがえます。
以前、岡山県公立中高一貫校受検について
【オンラインで公立中高一貫校対策】岡山県にはなぜ公立中高一貫校が多いのか?
【オンラインで公立中高一貫校対策】岡山県公立中高一貫(岡山操山中学校・岡山大安寺中等教育学校・津山中学校・倉敷天城中学校)を受検したいあなたへ
というブログを記載しています。
岡山県内の公立中高一貫校、中学受験(受検)について、「最近関心を持った」「これから知っていきたい」という方々は、まずこちらを先にお読みいただくことをお勧めいたします。
一般的には、私学が多く存在し、その1/3から1/5程度しか公立中高一貫校は存在しない都道府県が多い中、岡山県は先陣を切ってそれらを設立・開設しているパイオニアです。
岡山県に限らず、公立中高一貫校受検は、入試日程が異なれば、国立・岡山大学教育学部附属中や、私立・岡山白陵中、岡山中、岡山理科大附属中といった、他中学との併願が可能です。
そういった意味では、岡山県の小学生には、中学進学にあたり選択肢が多くもてることが強みです。
そんな岡山県の公立中高一貫校。
この令和4年度の中学受験(受検)はどのようであったのか、最新受検状況を一緒に振り返ってみましょう!
1)2021年度の岡山県の実質倍率
津山中が2倍を割ったものの、全体的に、昨年度を0.数パーセントUPしました。
●岡山操山中学校 3.03倍
●岡山大安寺中等教育学校 3.13倍
●倉敷天城中学校 2.74倍
●津山中学校 1.89倍
●岡山後楽館中学校 1.5倍
他県の公立中高一貫校の受検倍率は、高いところだと6~7倍という中学もあり、それに比べれば岡山県は比較的低いほうと言えます。
ただそれは、県立が学区などは特に設けず、県内全域から受験(受検)可能であるため、同地域に複数存在する岡山県では、受検者が分散しているからでしょう。
岡山県の公立中高一貫校の受験倍率は、今後伸びることはあっても、極端に下がることは考えにくいです。
最大でも0.5倍程度の幅の中で増減する程度でしょう。
そのため、倍率からどこを受けるかと判断するのはいささかナンセンスです。
私立であれば、その学力(受験偏差値)レべルで高かろう・良かろうという基準で選ばれるのが普通でしょうが、岡山県の公立中高一貫校の場合、レベルとして大きな大差がない前提で言えば、家からの通いやすさを一番に考えられることを推奨します。
その理由は、公立中高一貫校の特徴にあります。
公立中高一貫校では、全国的にその勉強のあり方として、「探究」する機会が多いのです。
例えば数学や理科。
単に解き方や公式を覚えて反復練習するだけではなく、班で考え方や求め方を話し合ったり別解を見つけたり、実験をレポートのようにしてまとめたり、いわゆる「教わる」という受け身ではなく、「自ら学ぶ(探究する)」証として、調べたりレポートを書いたりして提出する機会が多くあります。
学力を高める偏差値指導を行うのではなく、自ら探究・開拓していく力を養おうとしている公立中高一貫校の指導では、問題集ばかり解いているのではなく、そうしたタスクをしっかりこなして評価を得ていかなければならないのです。
それらには時間を多く要しますし、部活との両立を図るのであれば、なによりもタイムマネジメントが大事です。
自宅から学校へ365日、6年通うわけですから、距離や交通手段などで、もっとも通いやすいと思われる学校を選ぶべきでしょう。
2)令和4年の適性検査の出題傾向
岡山県立の適性検査(入試問題)は、原則共通となります。
※令和4年度の適性検査問題は以下を参照
例年、問題の一部が異なり、中学校ごとオリジナル問題が含まれましたが、全体8割以上の問題は共通して同じもので、その対策の仕方に違いはありません。
日本各地の一般的な公立中高一貫校・適性検査の大きな特徴として、対話文による問題展開があげられます。
先生と生徒、生徒と生徒、など、登場人物2~3名程度の対話文をベースとし、それぞれの会話に空欄があったり、傍線がひかれ、それを元に科目が混在し各小問を構成しています。
岡山県の場合、どちらかと言えば私立中学入試の問題のように、算数なら算数、理科なら理科…と、大問ごと科目ではっきりと分かれた単独問題の構成です。
とりわけ特殊な適性検査対策を行わずとも、教科書で扱う内容を十分に理解し、市販の私立中学受験向け教材を解きこなし、教科書レベルよりも少し高レベルな問題を練習するだけでも、それなりに対策できるようなスタイルです。
ただし、岡山県の適性検査の特徴として、適性検査Ⅰでは、様々な問題に対し、解けるだけでなく、理由付けが必要となります。
言葉と数式をうまく組み合わせて論述(証明)する力が欠かせません。
「解く力」と「説明し書く力」は別の力になりますので、これを苦手とする受験生には訓練が不可欠です。
解答欄をなんとか書いて埋めた!というレベルではなく、しっかりと点数化される書き方とコツが必要ですから、自己満足にできたと評価せずに、受験対策を行う専門家による指導をもらうべきでしょう。
適性検査Ⅱは、国語や社会の科目要素が強いタイプの問題です。
80~200文字で、課題文章から読み取って自分の考えを書くような記述問題や、辞書の引き方や漢字・熟語の知識問題、歴史と地理の知識を融合させて記述させる問題など、幅広い問題タイプのバリエーションがあります。
適性検査Ⅱでもっともネックなのは、時間でしょう。
45分という時間に対し、与えられる資料・情報量が多いため、要領よく読んだり飛ばしたり書いたりしなければ、「時間内に終わらなかった」という受験生も少なくないはずです。
初見の文章の速読と、要約練習は効果的と言えます。
まとめると、
適性検査Ⅰ対策として
★分数・小数を含む計算を素早く正確に解けるように仕上げておく
★私立中学受験の基礎~標準程度のレベルの問題を解いて反復練習しておく
※市販のお勧め教材…文英堂「パーフェクトテスト」シリーズ
適性検査Ⅱ対策として
★国語の教科書にある説明文を中心とした文章の、2~3段落を目安に80~100字程度に要約する練習をしておく
★子ども新聞を読む、または昨年から今年半期にかけて話題になったニュースを食卓の話題にする
3)令和4年岡山県公立中高一貫校受検総括
「岡山県の公立中高一貫校受験(受検)はレベルが高い」
と、抽象的な表現で聞けば、問題そのものが難易化し、難問奇問を多く含むようになり、合格基準が上がると想像する方もいるようですが、適性検査の問題は、公立中学が行う入試である以上、そのバランスと出題範囲は変えられません。
2人に1人または3人に1人しか合格しない岡山県の公立中高一貫校受検ではありますが、適性検査にこだわって演習したり、わざわざ難しい問題ばかりを解いて対策する必要などはありません。
科目的な観点で言えば、理科算数の少し難しめの問題集で、問題慣れと演習を行っておくことがよいです。
社会の地理と歴史のそれぞれの知識を紐づけしておくこともおすすめです。
日ごろの勉強の質を高め、何をするにも時間設定を行って、時間を意識しながらこなすことで、解くスピードもあがるはずです。
記述・論述することだけは、受験生本人もその親御さんも、なかなか良し悪しを判定することが難しいと思います。
心配な方は、適性検査や小論文作文などの指導を行う専門機関で、必要な対策指導を受けられるのがよいでしょう。
このブログを機に、岡山県公立中高一貫校・適性検査の出題傾向やそれに必要な力をよく把握し、限られた期間でみなさんにそれぞれ適した対策を行ってくださいね!
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公立中高一貫校受検に必要な、適性検査から面接・グループワーク、作文指導まで、専門家によるサポートを受講することができます。
私たちといっしょに、岡山操山中学校・岡山大安寺中等教育学校・津山中学校・倉敷天城中学校の合格を目指しましょう!
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