スマートフォン(以下、スマホ)の普及が進み、中学生のスマホ使用時間は大幅に増加しています。
検索して調べたり通話する以外にも、SNSやゲーム、動画視聴など、スマホは多岐にわたる用途で日常生活の一部となっています。
一方で、子どもたちが犯罪に巻き込まれるケースや、過度な使用が家庭学習の時間や質に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
2024年現在は、自分のスマホやキッズ携帯を持っている小学校高学年生は、40%を超えています。
必要な情報を検索し学びにも生かせるスマホ。適宜適切に使用する力も、現代っ子たちには必要な能力と言えます。
今回は、スマホの使用が学習に与える影響を踏まえ、どのようにスマホと向き合うべきかをテーマにお話しします。
デジタルアーツ株式会社の調査では、中学生が1日にスマホを利用している平均時間は2.75時間です。
その中でも78%以上の生徒が、19時から21時までの時間帯に使用していることがわかりました。
また、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授の研究結果によると、スマホを使うほど成績が下がるとされています。
この研究では、次の4つのデータから結果を導き出しています。
- テストの成績
- 睡眠時間
- 勉強時間
- スマホの使用時間
驚くべきことに、3時間以上スマホを使用した子どもで、平均点を取れた子はゼロだったという事実が明らかになりました。
興味がありましたら、こちらをご覧ください。
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スマホ使いすぎると「勉強が台なしに」 脳トレ・川島隆太教授がデータで解説
これらを見ると、スマホを使用することで学習時間や睡眠時間が減少し、学力に直接的な悪影響を及ぼしているのは明らかです。
ですから使用時間で言えば、1日1時間以内が、一つの目安になるでしょう。
お子様のスマホの「スクリーンタイム」をチェックし、もし、1時間以上使用しているようであれば、スマホの利用時間を減らすことを検討しましょう。
ただ「やめなさい」「減らしなさい」ではなく、例えば次のようなルールを設けてみてはいかがでしょう。
- 宿題や勉強中は、親御さんが携帯を預かる
- 21時以降は使用しない
- 決めたルールを守らない場合にはスマホを解約する
ルールはできるだけ具体的であり、きちんとけじめがつけられるようなものが望ましいです。
本当は持たせたくないけれど、送迎の連絡や防犯面から持たせているという親御さんもいらっしゃることでしょう。
学びで使用するのは、何もスマホでなくても良いのです。今や辞書代わりにもなるインターネット。調べたり検索するには、スマホではなくPCやタブレットといった端末でもかまいません。
学校から支給される端末は、クロームブックが多いですが、使用制限が可能です。
スマホはあくまで外出先での連絡ツール、自宅での学習にはクロームブック、というように、使用タイミングによって端末を使い分けるのも良いでしょう。
スマートフォンは現代社会で欠かせないツールであり、子どもたちにとっても重要なモノですが、イジメやトラブルに巻き込まれるなど、子どもたちには必ず危険やリスクを伴っています。
オーストラリアでは、14歳未満のSNS利用を禁止する法案が出されようとしています。
もしかすると、親御さん自身もスマホの使い方を見直し、家族全員でルールを守る姿勢を示すことで、子どもたちに良い影響を与えることもあるかもしれません。
親御さんも、例えば、「睡眠1時間前にはスマホを使用しない」「ベッドにはスマホを持ち込まない」など、スマホを意識的に自制して使用する姿をお子さんに見せることで、ご家庭としてスマホを使用するリスクに危機感を持てるようになるかもしれませんね。
ぜひお子さんだけの問題にせず、ご家庭でスマホの使い方を話し合い、子どもたちが安心して学習に集中できる環境を整えてあげてください。
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