【オンラインで都立中高一貫校受検】知っておきたい調査書(報告書)の取り扱い

 

都立中高一貫校の受検では、適性検査のほか、「報告書」とよばれる調査書の2つの評価により、合格が決まります。

他の地域と異なるのは、面接やグループワークが行われないことです。

 

適性検査対策には注力することが多くとも、調査書には意識が低い受検生もいるようです。

しかし受検をする学校によって、その取扱いの仕方や得点への換算の仕方も異なり、調査書の重みに違いがあるため、それを重んじる地域や学校によっては大事な提出書類になります。

 

そこで今回は、都立中高一貫校の受検における調査書(報告書)について、合否に及ぼす影響や、調査書の対策についてご紹介したいと思います。

 

■都立中高一貫校受検の調査書(報告書)とは?

調査書(東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定の報告書)は、都立中高一貫校の受検の際、出願時に提出する書類のことです。

 

一言でいうと「小5、小6の学校での成績や学校生活などを得点化したもの」

 

小学校の先生にお願いして書いてもらう、高校受験でいう「内申書」のイメージです。

小学5年、6年時の各教科の成績や特別活動の記録、行動の記録、そして出欠の記録などが記載されています。

また6年生で行う総合的な学習の時間の記録は、文章で記述する欄もあります。

 

報告書で中学校側が見る項目は

・出席日数

・各教科の成績

・学校での様子

と言われています。

 

実際使用する報告書は東京都教育委員会のホームページからだれでも見ることができるので、受検をお考えの方は、一度目を通すと、より参考になります。

東京都教育委員会のホームページはこちら

 

 

■報告書が与える合否の影響は?

 

都立中高一貫校の受検では、適性検査の合計点と報告書の得点の総合点で、合格者を決めているため、報告書はとても重要です。

 

適性検査と報告書の配点比率は中学校によって異なります。

報告書と適性検査の比率は「20:80」としている学校がもっとも多いです。

 

2023年の実施の受検では、

・都立富士高等学校附属中学校

・都立大泉高等学校附属中学校

・都立桜修館中等教育学校

の3校が、30%と最も高い報告書の得点比率となっています。

 

また

・都立小石川中等教育学校

・都立武蔵高等学校附属中学校

そして2022年に日本初の公立小中高一貫校になった

・都立立川国際中等教育学校

の3校は、比率25%です。

 

総合成績の比率は、募集要項に書かれているので、事前にしっかりチェックしましょう。

 

 

■報告書の対策はできる?

 合否判定に使われる報告書となると、「少しでもいい評価がほしい」と気になりますよね。

しかし特別な対策をする必要はありません。大事なのは学校生活の基本をお子さんが送れるようにサポートしていくことです。

 

以下のポイント5点に注目しながら、普段からお子さんに気をかけてみてください。

 

1.  授業を大切にする(担任以外の授業ももちろん)

当たり前ですが、授業をしっかり聞くことがなによりの勉強になります。そして発言をして積極的に授業に参加することで、習ったことがより身につきます。

また報告書は担任の先生が一人で書くものではありません。(報告書作成上の留意点にも書かれています)また音楽や図工なども報告書の配点は同じです。担任の先生以外の授業も、大切に受けるようにお子さんに伝えるといいですね。

 

2.  宿題や提出物は期限内に出す

受検勉強で忙しくなるかもしれませんが、学校の宿題をやるのは最優先です。もちろん勉強して身につけるためですが、報告書のわかりやすい減点になってしまう可能性が高いためです。

 

3. 忘れ物をしない

学校生活での基本ですね。お忙しいとは思いますが、親御さんもお子さんと一緒に確認する、声をかけるなどして、忘れ物がないように気をかけてみてください。

 

4. 特別活動に積極的に参加する

勉強だけでなく何事にも一生懸命に取り組むことで、残り少ない小学校生活も楽しく思い出に残るものになるでしょう。またそんな姿勢が評価を下げることはないはずです。

 

5. 集団生活を大切にする

学校でのクラスメイトや仲間との集団生活でしか体験できないことはたくさんあります。受検勉強ももちろん大切ですが、仲間と過ごす大事な時間を通して成長していきます。学校での出来事などお子さんに声をかけてみて、一日どんな学校生活をしているのか確認するといいでしょう。

 

 

都立中高一貫校の受検で合否判定に使われる「報告書」は、よい評価にしたいと考えていても、すぐに変えられるものではありません。

学校での生活の基本を守り、毎日を充実して過ごせるように、お子さんをサポートしましょう。

 

1ページのレポートを2ページやる、来週までの宿題を明日にはやって提出してしまう、ちょっとでも疑問に思うことは「どうして?」と先生に聞きに行く…意欲的に授業やその学びに臨む姿勢が、先生方に上手に伝わるよう、少しの心がけでできることはあるかもしれません。

通知表に自信のないお子さんも、他人の評価だからとさじを投げずに、できることをこのブログを機に考えてみてもらえたらと思います。

 

弊社も、「学校のことだから」と、報告書について、見て見ぬふりをすることはありません。お子さんや親御さんたちとの面談には、具体的なアドバイスも差し上げています。

 

お悩みの方は、こちらからぜひご相談ください。

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